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ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)

価格: ¥820
カテゴリ: 新書
ブランド: 角川書店
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面白いけど。。。 ★★★☆☆
各章の話はとても面白いのですが、これらの話を一冊の本としてよむとまとまりのない印象を受けます。

保木氏の話(1章)、渡辺竜王の話(2章)で各氏の心境がつづられた後の両氏の対談(3章)があまり切れ味がないというか、
おとなしい議論になってしまっていて残念でした。

その後保木氏は「究極の目標は将棋で勝つことではない」と論じる一方、渡辺竜王は「プロである以上コンピュータに番勝負で負けるのはイヤだし、そんなことにはならないと思う」と主張しています。個人的には竜王のように歯に衣着せぬ、ストレートなメッセージの方が面白かったです。
とくに、竜王は「勝負するからには勝つための対策はしっかり練る」「慎重になりすぎて接戦にしてしまった」と、トッププロでありながら(あるいはそれゆえ)格好つけない率直な記述が同氏の器の大きさを感じさせます。

本のタイトルからして、コンピュータ派、人間派の両者の興味を満たそうとした試みであるとは思いますが、それがゆえに(各章でみればどの章も興味深いのですが)どちらつかずの印象を与えていると思います。

各章のつながり、紙面ボリューム(1-2時間くらいで読み終わってしまう)、一冊の本としての論点の曖昧さから☆-2ですが、本対局に関して「対戦者本人談」が読める唯一の書ですので読んで損なしです。
小林秀雄の「常識」は覆ったのか? ★★★★★
 本書を読みまず思い起こしたのが、小林秀雄である。
 昭和34年に発表された「常識」というエッセイで(後に「考へるヒント」に収録)、友人たちと、当時の東大の原子核研究所に、「電子頭脳」が将棋を差すというので見学に行ったときの話が書かれている。
 学生時代、小林は、エドガー・アラン・ポーの「メルツェルの将棋差し」を訳した事があったが、その小説(?)の肝要は、機械は「判断」することが出来ないから、その自動人形はトリックで中に人が隠れているに違いない、ということをポーが論証するその見事さにあった(「盗まれた手紙」と類似する)。
 その話と絡めて、要は、コンピューターには将棋はさせない、刻々と移り変わる生の現実に対して人間の脳が取るような働きは出来ない、そういう「常識」が守られて安心した、という趣旨の論考である。
 然るに現在では、例えば、チェスでは既にコンピューターが最も強い人間のプレイヤーを負かしているし、本書で紹介される「ボナンザ」も、若くして竜王位を取ったほどの超トップ・プロといい線まで指せるほど、上達してきている。
 はたして、テクノロジーの発達によって、小林秀雄が思い描いていたような「常識」は覆ったのであろうか、そういうことをあれこれ考えさせられた。

 本書は、「ボナンザ」開発者と、実際に対戦したプロ棋士が、それぞれ交互に文書を書き、また、友好的(?)に対談もしている。
 各々の立場(?)を反映するかのような矜持や理論など、読んでいてとても面白かった。
渡辺氏の話は面白い。Bonanza周りは拍子抜けかも。 ★★★☆☆
将棋ソフト「Bonanza」の作者とトッププロ棋士の渡辺氏の個別原稿と対談を収録したもの。Bonanzaは対局者に「人間っぽい」という印象を与えるとされ、しかも非常に強い将棋の思考ルーチンである。渡辺氏はトッププロの一人(ちなみに竜王)である。

「Bonanzaは単純なアルゴリズムなのに強い」「人間っぽい」という話を見聞きしたので興味をもって読んでみたが、Bonanzaの内部に関しては、正直言って拍子抜けだった(ついでに言うと説明が上手くない)。強化学習とか制御理論の手法とか言っても原理的な部分は最小自乗法と同じであり、要は、強い人間が指した過去の棋譜と同じ手を指すように関数のフィッテングをやっているということ。棋譜のデータベース化ではなく棋譜の同定をやっているということ。特筆すべきなのは、採用したアプローチの種類ではなく、

  ・当り前の手法がBonanza以前には何故か採用されていなかった

ということである。あと、数学や数理計画や学習理論の専門家が開発に絡めば一気に強くなりそうということも。


渡辺氏が、Bonanzaの作り方やチェスと将棋の違いを理解した上で、将棋プログラムがトッププロを超えることは当分の間は無いだろうと予想しているあたりは、根拠(トッププロを手本にしてるから)が非常に明確であって説得力がある。プロ棋士の思考過程や勉強方法なども、羽生氏や谷川氏の本とかぶる部分が多いが、渡辺氏の方が表現が明快である。Bonanza周りに興味があって買ったんだけど、結局は渡辺氏の話のほうが面白かった。
異なる分野のトップのふたり ★★★★☆
フリーの将棋ソフト「ボナンザ」と渡辺明竜王の対局がきっかけとなって出版されたこの本.

NHKで特集もやってたみたいですが,なかなか興味深かったです.

ボナンザむちゃくちゃ強いんですよね.俺は全然勝てません.さぞ将棋強い人がプログラム書いてるんだろうなぁと思ってたら,作者の保木さんは,将棋はあんまり得意じゃないとか.本業は理論化学の研究者だとか.

やはりトップにいる人の発言というのは,どこか違うところがあるな,という感じがします.

保木さんの
「『そんなことが何の役に立つのか』を考えているだけでは,進歩はない.」という言葉,
そして竜王のほうでは,
「不要な情報は,一番高いレベルに達してみれば,自然に自分の知識の中から省かれていく」という言葉が印象的でした.
視点の違いがおもしろい ★★★★☆
科学者としてAIの将来性と将棋界を背負う竜王との
両者の意地というものが、この本を通じて読み取れ、
非常におもしろい内容になっています。

若干、両者とも語りが濃い内容となっており
専門的な部分があるため、分かりにくい部分があるため
星一つマイナスです。