老年期を迎えた、これから迎えるであろう男たちの愛と哀を皮肉たっぷりに描いた短編集。
清張の短編集は数多く愛読していますが、今回はかなり人生の悲哀を描いており私好みの作品です^^
特に「空白の意匠」という作品は簡単に言えばもったいぶったストーリーなんですが、清張節炸裂でかなり引き込まれました。
ただ私は女性なのでいつも少し読んでいる時、嫌になるのが女性差別的に結構描かれている箇所です。でも書かれた作品の時期はそんな時代だったとも言えるのでそれは仕方がないことなんだとも思っています。
しかしフェミニストの方が読まれたならば多少憤慨されるかもしれないですね。

短編の名手が描く中老男の心の機微をリアルに映し出したアンソロジー。
昭和の情緒が味わえる一冊。

団塊の世代の大量退職時代に合わせたかの様な本。
１９５０年５６０年代に書かれたものだが、男の悲惨な
晩節とは変わらないのか、今日的なテーマがその中にある。
それが男の性なのかもしれないと思いつつさびしいものを感じる。