「戦略の立案プロセス」をコンパクトに解説
★★★★☆
故ピーター・F・ドラッカーは言わずと知れた“マネジメントの権威”だが、当書の序辞の中で、彼は「本書は、効果的な活動を行うための戦略の活用に焦点をあてた唯一の書といえる」(本書の刊行に寄せて)と述べている。この訳書は04年に発刊され、その後も様々な「経営戦略」を論じた書物が世に出ているけれども、「成功をもたらす戦略」ではなく、「戦略の立案プロセス」(原著まえがき)をフォーカスしている本書は、依然としてドラッカーの巻首における賛辞に負けない内容を読み手に伝えてくれていると考える。
というのも、今、知人の“起業”を側面から支援している関係で、本書を再び紐解いてみたわけだが、訳者がいみじくも語るごとく、「本書の特徴と魅力は、手本や解答を提示するのではなく、『そのときの状況で最適かつ最も効果的な戦略とは何か』という問題に対して意思決定ができるように、戦略立案プロセスで『問わなければならない適切な質問とは何か』を明確にしている点にある」(訳者あとがき)ということだ。実に、正鵠を得た本書の評価だし、私自身のバイアス補正とノイズ除去にも大変役立つ文献である。
ドラッカーは前出の序言において、「『戦略とは何か』『なぜ戦略が重要なのか』を問うているのは私の知るかぎり本書だけであり、『特定の業界において戦略はどの程度まで、またどのように管理されるべきか』を問うているのもまた、本書をおいてほかにない」と叙しているのだが、「問わなければならない適切な質問」を指し示してくれるのがこの書物である。そして何より、「持続的競争優位性を達成するためのポジショニングを構築できる意思決定を行う『羅針盤』」(前掲訳者)としての役割を十分果たしてくれるだろう。
教科書
★★★☆☆
学校の教科書といったほうがよく、具体的な何かをもとめてると失望するかと。
どっちかっていうと、ポーターやアンゾフをはじめとした戦略論を読むために、最初にこれを読んで頭にいれてお
いたほうがわかりやすいかな、というところ。分量も手ごろなので最初に読むのには適切だと思う。
体系的で読み応えあり。
★★★☆☆
薄く広く、体系的に網羅されているため、ビジネス用語の
解説書といった読後感です。数多くの企業の例があって
わかりやすかったです。しかし自分のビジネス環境にどうやって
役立てればいいのか今ひとつわからなかったので、もう少し
勉強してから読んだほうがよいのかなと思いました。
これは買いです
★★★★★
戦略について、体系的に記述されています。概念論が多く、抽象的に感じるかも知れませんが、じっくり読むと、自分なりに理解・整理されていきます。ただ、斜め読みでは頭に入っていかないので、ゆっくり、じっくり読むことをおすすめします。
勉強には「○」、実務には「?」
★★★☆☆
戦略論に関する項目が網羅的にかつバランス良く説明されています。しかし、私にとっては本書の中身は概念的過ぎました。概念的であるゆえお勉強としては適している本です。しかし、他の経営論関係の本と比較して仕事で使える内容かというと、「?」なので星3つです。