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戦略経営論

価格: ¥5,040
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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   アメリカのビジネススクールには戦略に関する授業が用意され、経営学修士(MBA)コースの目玉になっている。いわゆる「戦略経営論」(ストラテジック・マネジメント)である。本書はスタンフォード大学ビジネススクールで、その「戦略経営論」を教えている3人の教師が、授業用に用意した講義ノートをまとめたものだ。

   特徴としては、何よりもまず内容の包括性である。取り上げているトピックが網羅的なため、訳書で500ページを超える大部の本になっている。第2に、需要サイドの収穫逓増市場に焦点を当てた第12章など、新味のある説明が盛り込まれている。付録に添付されている「ゲーム論」の戦略論への応用に関するノートも有用だ。第3に、分析ツールの細かな手法論には立ち入らずに、「戦略的に考える思考法」を強調している点も特徴といえる。第4に、議論の基盤がはっきりしており、ミクロ経済学、特に産業組織論と組織論の研究の2つが理論的基盤となっている。この点はハーバード大学とは違い、理論志向を強くもったスタンフォードの教師らしい。第5に、事例が豊富であり、特にパソコンのデルやコンパック、全米を代表する本屋のボーダーズ、航空業界トップのサウスウエスト航空などがおもしろい。日本企業についての分析もある。

   以上のとおりだが、その特徴は弱みにも通じる。取り上げているトピックがあまりに広範なせいか、記述の内容が総じて常識的で、単純で、議論が平板に見える。また、経営戦略の最新の手法や関連コンセプトに関心がある向きには、不満が残る内容だろう。

   ビジネススクールの教室では、教師よりも学生が主役だ。彼らのディスカッションは刺激的で、それに比べると教師のレクチャーはしばしば添え物のように見える。その添え物だけを束ねたような印象が残る。(榊原清則)

本書はスタンフォード大学の”持続的競争優位性”の賜物である ★★★★☆
 本書では競争優位が「ポジション」と「組織能力」が相互に関連しあってもたらされることを述べている(p.65)。また「組織能力」の持つ無形性こそが、他社から簡単には模倣されにくく、差別化できるものであることを主張している。このような組織能力の強化こそが、持続的競争優位性を構築する。そして有効な組織設計のための「ARC分析」を提示している(p.110)。
 本書はポーターのポジショニング、ペンローズを復活させたバーニー等のRBV(資産を重きに置いた資源重視)に一矢を射て、新たに無形の「組織能力」を強調していることに私は興味を惹かれた(p.68〜69)。
 スタンフォード大学のMBA基本テキストである本書は、ポーター、アーカー、バーニーの戦略論の基本テキストを読まれた方々には、ぜひとも一読をお薦めする。
 
(追記)遡れば、”ひとによるーー”を主張した『エクセレントカンパニー』の著者トムピーターズ&ウォーターマンの両氏はスタンフォード大学出身である。とすれば、本書はスタンフォード大学の組織能力の賜物であり、同大学の”持続的競争優位性”とも評価できる。
スタンフォード流の経営戦略論 ★★★★★
 私は経営戦略論の本を数多く読んでいるわけではないが、戦略の一つの柱は、市場における企業のポジショニングであることは常識的に分かる。本書は、ニッチ市場、集中市場、収穫逓増市場など市場特性に応じてポジショニングを考察していることが一つの特色で、考察には、最近の経済学に多く取り入れられているゲームの理論が割合使われている。その意味で、やや経済学のにおいのする経営戦略論である。
 他の特色としては、バリューチェーンについて1章を割いていることや、変化する環境での戦略、グローバリゼーションと戦略といった今日的課題もそれぞれ1章を割いており、新しい試みがなされている。

 以上の意味で、これは「スタンフォード流の」経営戦略論として読めばいいし、それなりに非常!に教えられるところが多い。価格は、この内容なら安くしてもせいぜい数百円ではないだろうか。翻訳は読みやすい。

流行にとらわれない経営戦略論 ★★★★☆
近年、多種多様な戦略立案に関するフレームワークが登場しているが、この本ではより根本的・基礎的なトピックを網羅的に説明しており、経営戦略とミクロ経済の中間にポジショニングされている本と言える。従って最新のフレームワークを追い求める読者には不向きと思われるが(もちろん、アンゾフ、ポーターといったおなじみのフレームワークは紹介されている)、記載されている理論は極めて本質的なものであり一読の価値あり。
また、戦略立案のみならず実践にも配慮があり(組織についても記載がある)、この本をまず一読し、興味のあるトピックについて突っ込んだ研究を行う、という使い方も可能。訳文はこの種の本にしては、こなれていて読みやすい。
非常にハード ★★★★☆
海外のMBAで使われているだけあって,この分厚さをみただけでもわかるように非常にハードです。内容的には事例がふんだんに使われ,理論一辺倒ではないので読みやすいのですが,いかんせん海外の事例が多く(当然ですが)日本人にはピンとこないものが多くなっていることは事実です。

しかし,その点を差し引いてもとてもためになるのではないでしょうか。それにしても海外の名著の訳本はもう少し価格的になんとかならないものなのでしょうか。高すぎます。