時を越えてきらりと光る一冊
★★★★★
1970代、日本の各地で「子どもたちに本を!」と願う地域住民の熱い思いに支えられて
図書館建設の大きなうねりが起きた。
その運動の起爆剤となり、
その後の取組みの理論的指針となった図書館行政のバイブルの書である。
内容は読みやすく、新書版サイズなのがまたいい。
無料貸し本屋との批判がある中、
公共図書館とは何か?という問いかけに、
知的自由とのかかわりで、
その答えを導き出している。
その基本的な精神なり、考え方は今も受け継がれているといえよう。
「国民の知的自由を支える機関、
知識と教養を社会的に保証する機関」
その後の改訂版(1976)で追記された「その後の発展、ほか」では、
こんなメッセ−ジで結ばれている。
「住民が日常のくらしのなかで必要とする知識を入手できること、
本を読む楽しみをだれもが享受できることに奉仕する図書館の専門性を、
組織的、集団的に形成していくことが必要である。
それを通して、住民の“読む自由”をまもりひろげる活動を追求することにより、
図書館は民主的な進歩発展の基礎を培うことに貢献することができる。」
時を越えてきらりと光る一冊といえよう。