何度読んでも飽きない
★★★★☆
おもしろいです!
世の中にはいろんな人がいるんだなと思いました。たとえフィクションだとわかっていても、
「バカだなぁ・・・コイツ。」「いろんな人がいるもんだ。」としみじみと思ってしまいます。
そしてなぜだか、この奇妙な人たちから元気がもらえます。
読み始めたら、一気に読めるのもこの本の魅力だと思います。とにかく、楽しく、低俗で、暗い人生でも見方を変えれば
明るく、楽しいのだと思わせてくれる本です。
これぞ!大衆文学、終盤が真骨頂、最後まで読んで下さい
★★★★☆
大衆文学中の大衆文学。
一見短編集に見えますが、全体が有機的につながっています。
それぞれの登場人物の境遇は、かなり歪んでいます。
ただ、こういう生き方も有りだとは思いますが、外聞は良くないです。
それぞれの登場人物の行動は、何となくバカバカしく、当人達も強く自覚しています。
しかし食うにはこうするしかなく、結局は、自分または他人の性欲を弄び、それを商売道具にしています。
しかし、それぞれの章の終わりの部分は、大変悲しい終わり方をします。
こんな悲劇的結末はあんまりだろう、と思ったりしますが、終盤部分を読むと、続編が記載されており、ほっとさせられます。
この作品、全体としては、なかなか良いと思います。
大衆小説雑誌にこの作品が掲載されている状況を想像すると、きっと光輝いて見えると思います。
何故なら、大衆心理がぐっと把握されており、それが、独特の建前と本音を交互に語る形で表現されます。
この作品の全容はなかなか見えてきませんが、そのエッセンスは終盤にあります。
それぞれの人々が、歪みをかかえながらも、うごめき、のたうちまわっています。
高尚な部分はかけらもありません。
これぞ!大衆文学です。
描写がきつい
★★☆☆☆
格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活写する群像長篇。
群像劇と言うより、短編を群像劇風にまとめた感じか。
スタイルは「陰日向に咲く」に近いでしょうか。
下流文学、とにかくエロい。
ちょっと描写がきついというか、しつこすぎて私には駄目だった。
そんな中に他の要素が散りばめられているのだろうが、それに浸る余裕がなかった。
救われない人も いるんだよ。
★★★☆☆
どうしようもない人たちの
どうしようもない物語。
世の中には救われない人も
いるんだよ。
異色作
★★★☆☆
奥田氏の小説の中ではかなり特異なもの。
性衝動をテーマに本当にしょーもない人たちがしょーものない言動をしながら
負の連鎖を繰り返していく連作短編集。
負の連鎖というと悲劇的な感じがするが、そこは奥田氏の軽妙なタッチで
喜劇として描かれ、非常に読みやすい。
性衝動がテーマなだけに性描写はかなり過激。過激というより単にエロいw
その辺が苦手な人は避けておいた方がよいだろう。
また、最終的にも結論が書かれているわけでもないので、
しょーもない人たちの人生はしょーもないままである。
エロい喜劇を手軽に読みたい人には面白いと思う。
しかし奥田氏は作品ごとに見事に作風が変わる。
氏の他の小説にはほとんど性描写は出てこないので、
この一冊で氏の小説を避けてしまう人がいないかと余計な心配w