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サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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新人離れした描写力。ただし好き嫌いは分かれるかも? ★★★★☆
能力者の町、咲良田を舞台に描かれる、記憶を保持する能力を持った少年と、世界の時間を巻き戻す能力を持った少女の物語。
「乙一絶賛」「全国の書店員絶賛」の煽りのとおり、著者の描写力は新人離れしています。構成力も高く、洗練されています。
ただ、所謂「セカイ系」的な色彩を色濃く持つ作品なので、それ系が苦手な人には感情移入がしにくいかもしれません。
私自身、主人公に馴染めませんでした。
その点で☆を一つ引かせてもらいましたが、作品の完成度や面白さは十分、☆5に値すると思います。
椎名優さんのイラストは、相変わらず素敵でした。
読後感の良い作家登場! ★★★★★
本作を手に取ったのは、椎名優さんのイラストが素敵だったのと、
帯の「乙一絶賛!!」に惹かれたという不純な動機だったのですが、
良い作品にめぐり合いました。
 
住民の半数が特殊な能力を持っている街・咲良田で、
主人公のケイ(男子高生)と春埼(女子高生)が、能力を取り締まる
管理局を意識しながら、自らの力を駆使して問題を解決する・・・
あらすじを端的に言うと中高生向きのライトノベルに思えてしまいますが、
決してそんなことはありません。
 
まず、ケイと春埼の持つ能力は万能ではなく、2人の能力を組み合わせる
ことで効果を発揮するため、「どのように力を使うのか?」という
謎解きの要素があります。
また、伏線もうまく張られており、魅力的な登場人物の行動や心の葛藤を
目にしながら、徐々に引き込まれていくと思います。
 
続編はもちろんのこと、河野裕さんの描く他の作品も読みたくなりました。
行動と結果 ★★★★☆
「もし、3日間をリセット出来る能力があったら」という作品でありながら、
そのテーマのメタフィクション的な側面を持っているように感じました。
この作品の主人公は、リセット後に「喋る言葉」でさえリセット前と同じ行動を取るように心掛けています。
行動には結果が伴い、その結果は発する言葉でさえ変わる可能性がある。
冷静に考えると当たり前ながら、それをテーマにまで昇華させた作品は少ないのではないでしょうか。

主人公がリセット前と変わらない行動をとっているにも関わらず変化が起こるなど、
「何故変わったのか」という疑問を抱かせ先が気になる展開を絶えずに出してくる。
但し全体的に淡々とした印象を受けました。キャラも薄く感じます。
テーマ自体は面白く、これからの続巻に期待という意味を込めて☆4です。
「言葉で想いをどう伝えるか」という物語 ★★★☆☆
まず初めに思った事は、秋田禎信先生の文章の書き方に似ているなあ、と言う事でした。

あとがきを見てみると、作者の愛する小説のイラストを描いていたのが今作を担当する椎名優先生だと言う事でした。 ならばその小説は秋田禎信先生の『エンジェルハウリング』なのだろうと推測出来ます。

「言葉で想いをどう伝えるか」と言う主題を登場人物が語る言葉の選び方も、あの作品に共感しているからああなったのでしょうか。
その言葉は強く美しいです。

ですが、地の文や個人の主張の半分は的を射ているとは思えなかったし、後半の主人公の半ば自己中心的な考え方は好ましくありませんでした。

クラスメイトの女の子の事件に関しての主人公の考え方はあれで普通だと思います。

ただ、それが普通になっているのが問題です。
人の生き死にや運命までも左右できる能力を描いているというのに、全編通してその問題があらゆる意味で軽い。

主題に重きを置き過ぎていて、片手落ちの感が否めません。

一貫してそれを描き、それが成功しているだけに、読後にモヤモヤ感が残るのが残念でした。
こういうのが読みたかった! ★★★★★
あらすじを見たときは『NEVER 7』のような感じのループものだと思ったけど、それとはまた少し毛色が違った内容でした。

時間の巻き戻しという設定のなか、未来に起きてしまう事態をタイムリミットまでになんとか防ごうとするあの緊迫感がまるでないのに、おもしろい。
伏線を散りばめながらもそれをインパクトを与えるための起爆剤につかわずに、何気無く答えが文章のなかに置かれたような不思議な文体でした。作者的にここが見せ場だよ、とこれみよがしに明かされるより素直に楽しめたいい作品です。

まだ回想だけの登場だったり、掘り下げられてない愛すべき哀れなキャラクター(特に主人公のキャラが最後までいまいち掴めなかったかな、出番が多いくせに)がまだまだいるのでぜひシリーズ化して欲しいです。