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大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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敢えて言う、退屈だった ★★☆☆☆
CWA最優秀長編賞受賞作。期待は大きかった。しかし、すっかり裏切られた。最後まで退屈な話だった。
舞台はシェトランド島。少女が殺害され、雪原で発見される。顔見知りばかりの小さな町。誰が彼女を殺害したのか。
とてもオーソドックスな犯人探しの推理小説。
でも、登場人物たちの人生の悩みや、家族の問題が長々と描写が続くわりには、彼らに共感を感じることも、そして舞台である島にも全く魅力を感じることができなかった。ごくごくありきたりの登場人物とストーリーだ。
最後に犯人がわかり、動機などが解明されても、ふ〜ん、という感じで、サプライズもなければこちらの心に響くものもなかった。

それと、これは読書する上で大きな問題だと思うのだが、相変わらず創元推理文庫は字が小さい。その上、他社のものと比べて、驚くほど印刷の色が薄い。とても、とても読みにくい。なんとかしてください。

読み応えあり! ★★★★★
まったく予想が付かない結末で、最後の最後まで犯人がわかりませんでした。しかし、分かってみると納得の行く展開でした。シェトランドの自然描写も人物の心理描写もなかなか良く書けていて、だれることなく最後まで惹きこまれて読み終えました。さすがCWA受賞作だけのことはあるなと思います。ミステリーファン必読の一冊です。・・・ミステリー大好きおばさん
人の心に棲む悪魔(ネタばれ注意) ★★★★☆
CWA最優秀長編賞受賞作。がっちりした構成と目の前にありありと浮かんでくるそれぞれの登場人物の個性。そして三人称多視点という珍しい語り。ほとんどの証拠は読者の前に提示されており、あとはほんのちょっとの推理ではなく常識!があれば、意外な真犯人にたどり着ける。でもやっぱり暗いんだよねー。一気に読めたのに、そして最後に真犯人が明らかになったのに、何か今ひとつすっきりしないのは、最近のジェットコースターストーリーに毒されたせいなのかなー。
寒い冬の読書には最適な一冊かも ★★★★☆
イギリス最北の地、シェトランド島。大晦日の夜、一人暮らしの老人の家を訪問した二人の少女。4日後の朝、一人が絞殺死体で発見された。誰が、何のために彼女の命を奪ったのか?地元の警部ペレスは地道な捜査の末、真実をつかむ。

四人の視点で描かれるこの小説。伏線が実にていねいに敷かれていることに、読後気付かされました。
著者は20年以上のキャリアの持ち主だそうで、これから他の作品の翻訳にも期待したいです。

多視点叙述に潜む巧緻な罠に御用心。 ★★★★★
2006年度CWA(英国作家協会)最優秀長編賞受賞作で、イギリスのベテラン女流推理作家クリーヴスの日本初紹介作です。本書は冬のシェトランド島を舞台に、厳しい自然環境の中で不吉な大鴉を象徴的に配して、村の因習や余所者を巡る人間関係を丹念な筆致で描き上げた重厚な傑作です。
凍てつく元日の夜、パーティー帰りの2人の女子高生キャサリンとサリーが、母親に死に別れ独り暮らしの老人マグナスを訪ねる。老人は知的障害者で、数日後町へ出掛けたバスの帰りに偶然キャサリンと出遭い、再び家に招く。翌朝キャサリンは雪原で赤いマフラーで絞め殺された姿で見つかる。地元の警部ペレスは捜査を開始し、偏見を捨てなければと思いつつも、8年前に起こった少女失踪事件の時も疑われた老人マグナスに疑惑の目を向ける。島外から応援に来たテイラー警部と協力して捜査に当るペレスが決め手を欠く内に、偶然失踪した少女の遺体が見つかり、やがて少女のリボンを持っていた為にマグナスは逮捕される。事件は解決したかに見えたが、村の祭り〈アップ・ヘリー・アー〉の夜に新たに少女が姿を消す・・・。
本書の最大の特質は、四人の何処かに悩みを抱える登場人物、母の過去の思い出に捕えられる老人マグナス、殺されたキャサリンの親友で学校と恋に悩むサリー、富豪と結婚しながら夫の浮気の為に離婚して一人娘を育てるフラン、親の暮らす島の農業を継ごうか迷っているペレス警部、のそれぞれの視点で交互に語られている点です。ペレス警部は粘り強い捜査で、村のあらゆる人間関係を解きほぐしますが推理力で解決するには至らず、結局決め手はマグナスへの尋問結果でした。この真相に至るテクニックは、往年の女王クリスティー女史を彷彿させる非常に巧緻な騙しで、予測し難いでしょう。哀れみを誘う結末と犯人に向けたペレス警部の優しさが深く心に染み入ります。