音楽に対する原初的な欲求を思い出させてくれた
★★★★☆
タイトルが全てを現してますが、ルーマニアのジプシーブラスバンドを発見して、全世界ツアーの企画から実現までを追ったドキュメント。
辺境音楽の発見とプロデュースという意味では、「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」を思い起こさせるし、ゆったりした曲でのちょっと聴きのフレーズやリズムには共通する点もあるけれど、対極といえば対極。
「ブエナ・・・」の連中は、元々プロのミュージシャンだし、ファッションも含めて粋というところにこだわった、言ってしまえばスタイリッシュな人達。
一方こちらは、無骨で野暮ったい。
速い曲はグルーブというにはあまりにもつんのめったリズムだし、無闇に早いフレーズで畳み掛けていくのでせわしないったらありゃしないし、ゆっくりりとくつろぎながらグラス片手にカウチで聴く感じじゃあない。
しかしながら一方では、超絶技巧とは言ってもギスギスした感じは無いし、無骨でチョッと間抜けなフレーズは親しみさえも感じさせてくれる。
もっとももすばらしいのは、音楽に対する姿勢。
センスとかスタイルにはこだわらず、音楽への原初的な欲求を思い出させてくれる。(バンドで一体となって上りつめていく、その快感のために常に鍛錬する姿勢とかね。一音鳴ったらもうのめりこんじゃう感じとか、子供が傍で聞いていてもうやりたくてしょうがなくなってるんだよね。)
ツアーではベルリンやイタリア、そして日本にも!
渋谷でギャルとの並びのショットはなんとも言えない感じだけれど、ここまで彼らの音楽が長い道のりで伝わってきたことは素直に喜びたい。
特典映像も充実していて、とくにベルリンでのライブは彼らのステージをかなりリアルな形で体感できる。
マイノリティとしての苦労についてはあまり触れられていないし、この手のバンドは彼らだけではないが、先ずは知ってもらうという意味では無理に話を広げなくて正解だったかもしれない。
「ジプシー・キャラバン」もセットと思った方が良いかな?
ベリーダンス好きにもおすすめ
★★★★★
ジプシーキャラバンが近くで上映されておらず、それに近いモノを…と思って手に取ったのがコレでした。
もう最高です★超絶テクも去ることながら、踊りたくなること間違いなし!
ベリーダンス、フラメンコをしてる方にはぜひ観てほしいです。もちろん、そうでない方にもオススメなのですが。
特定映像でライブの様子(十数曲も!)も収録されてるので、満足度100パーです。映像流しながら踊れるしね♪
炎のジプシーブラス 地図にない村から
★★★★★
ルーマニアの地図にも載らない、電車のとまる駅もない小さな村=ゼチェ・プラジーニ村に一人のドイツ人がたどりつき、その村のジプシーブラスと出会う。そして彼が「ファンファーレ・チォカリーア」と言うバンドを結成し世界に売り出し成功を収めるまでを記録した映画。
ほぼドキュメンタリーなのでライブ映像が入ったりするので音楽好きには広く受け入れられるだろう。そして村での暮らしを追った映像は私個人としては文化人類学的に価値のある映像だと思う。
映画館で上映された時には見られなかったベルリンでのライブの特典映像が嬉しい!