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世親 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,208
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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併せて玄奘三蔵の伝記も読んでみるとよい。 ★★★☆☆
 唯識の難解さはつとに聞いてはいたが、たしかに難解ではあるけれども、その難解さを差し引いても面白く、興味の尽きない思想であることは間違いない。
 『唯識三十頌』の横山紘一氏による解説はかなり咀嚼されたもので、唯識のおおよそのアウトラインが理解できるだろう。ここだけを読んでもいいと思うし、唯識の本質が詰ったところなのでまずここを読むほうがいい。
 輪廻転生がもうひとつ呑みこめない。というか難しい。これは評者の理解度が浅いせいなのだろう、我見や無我の境地に至れば、前世の業を、私の業ではなくとも、見ず知らずの他人の業を引き受けること、そして現世で善根を積むことが引いては一切衆生の済度に繋がるのではないだろうか? また悪を行っても少なくとも現世で積んだ善根よって輪廻転生から脱することができるのかもと想像したりするのだが。アーラヤ識とはそのような個と他が相互作用する質の差異化、力能の諸作用の総体なのではないかとあれこれ考える。
 もちろん概念的理解では唯識を知ったことにはならない。ヨーガという修行において初めて会得できる体のものであることも知るべきだろう。
 唯識の思想にみならず仏教全般の理解にも通ずる仏教用語の再確認もできるので読んで良かった。
 あわせて横山紘一『やさしい唯識』も読まれることをお勧めする。
ちょっとバランスが・・・ ★★★★☆
アビダルマと唯識の分野で大きな足跡を残した世親(ヴァスバンドゥ)についての概説書。世親の生涯、思想、著作に亘って詳しく言及されているが、唯識家としての世親に多くの頁数が割かれ、アビダルマ家としての世親に対する記述が非常に少ないのは残念である。☆4つにしたのは、その辺を差し引いた結果である。

尤も、そのことがこの書の価値を大いに減じている、というわけではない。世親を詳しく知りたいと思われる方は、まずこれを手に取られると良いであろう。
比較的分かり易い大乗仏教紹介書 ★★★★☆
世親といわれるヴァスバンドウ、興福寺の深い思索的な彫刻に接して以来興味があった。仏教書としては現代の言葉で解説されている。前半は伝記で比較的に読みやすい。興福寺で対峙する無著との関係は? 後半は世親の著書の解説である。2,3度読み返してみて、これらの章を書かれた著者の畏友の横山氏に感服する。自然科学と資本主義現代に生きる者に、唯識について、仏教用語を判りやすく解説され、理路整然としている。当初同じようなことを書いてあり素人には区別がむずかしいと感じたが、読むほどに仏教、世親の説いた無我や唯識の意味が判りそうな気がする。自己存在の構成要素の五蘊、それらの作用の蓄積変転する深層心理世界のアーラヤ識、憶念・三昧・智慧へと発展しうる人間の心。4ー5世紀ごろに生きた人々の考えの偉大さ、本書はそれを現代的に生かそうとしている。星5つにすべきであった。
唯識の原典に当たるなら ★★★★☆
成業論、唯識二十論、唯識三十誦の逐条解説としては秀逸。
唯識思想を学び始め、原典に当たりたくなったらおすすめ。

誰が書いたかより、何が書いてあるかの方が大切だと思います。

読むに値しない ★☆☆☆☆
この本は一体何であろうか・・・。「まえがき」によると、本著者は「研究
に没頭できぬまま」であったため、本書の大半を横山紘一氏が書いている。
にも関わらず著者として氏の名前はない。さらに著者自身はヴァスバンドゥ
(=世親)像すら「固まってはいない」らしい。

こういうのは学術書としては致命的です。知的誠実さが疑われても仕方がな
いケースです。このような本がなぜ世に出ているのだろうか。購入はしたが、
おそらくもう読むまい。