微分方程式を「使う」人のための良質な入門書
★★★★☆
「解の存在と一意性の定理が書かれていない」といいますが,そもそも数学科の学生相手の書物ではないのだから,そんなこと言われてもね。初心者には,71ページに書かれている程度で良いのではありませんか。解の存在と一意性の定理を必要とする人は,この本の読者には想定されていないと思います。「解説が少ない」といいますが,微分方程式を解く必要がある人には,十分な説明がなされていると思います。なにも大それた「解析学」と言わず,高校程度の微積分の知識を前提とするのは当然でしょう。手が出ないという人は,高校の教科書をまず勉強すべきかと思います。微分方程式の解き方を勉強することは,「このシリーズの他の本を読むような気軽な感覚で」数学の雰囲気を味わうのとは別の,かなりハードな計算に習熟する必要があります。「本質以外(!)の所を理解する」というのが,どういう意味なのか私にはわかりません。「ルジャンドルとか」はついていませんが,250ページ程度の入門書にそこまで要求しても仕方がないのでは。
たとえば,大学工学部に編入学するために勉強している人には,良い参考書です。解き方の説明は,とてもわかりやすいですよ。
私がもっているのは,2001年の第4刷ですが,97ページに,定数係数2階線型微分方程式の特殊解を未定係数法で求めるための特殊解の形の一覧表があります。非同次項がax^me^{¥alpha x}, ¥alphaが特性方程式の解でない場合の特殊解が「xのm次式」となっていますが,これは「e^{¥alpha x}(xのm次式)」が正しいのではありませんか?
大学初学年の常微分方程式入門にはいいと思います。
★★★★☆
確かに既にコメントされている通り、内容的な不足は若干感じられますが、(数学科以外の)大学初年度の学生には十分な内容だと思います。なっとくするシリーズの他書の多くのような構成にはなっていない気がしますが、そもそも微分方程式の内容を言葉で表現すること自体がおそらく困難であり、そんなことよりも数式で表現したほうが読者の理解は楽になるのではないでしょうか。なので多少は読みづらくても手を動かして式を追っていけば、十分に得るものはあることと思います。
結構良いですよ
★★★☆☆
皆さんの評価はいまいちだが、私は結構良く書かれているかなと思います。
厳密な証明を求めるならば、人気のある教科書や参考書を使えばよいのでは。
なっとくするシリーズは、著者の主題に対する考え方がストレートに表現されているものです。
小寺先生の授業は、こんな感じなんだろうなと思いました。
正直なところページ数が少し厚くなってもよいから、もっと脱線して欲しかったです。
なっとくできない
★☆☆☆☆
とにかく解説が少なくて本質以外の所を理解するのに時間がかかってしまう。
普通の参考書なら、自分が失敗したなと我慢できるが、題名に「なっとくする」と
あるので、そこがなっとくできない。
うーん。もつ必要はないかな。
★☆☆☆☆
個人的になっとくするシリーズ自体、講義もしくは他書での独習において、
基礎的な部分でわからないところにおいて参照してみるサブテキストだと
思っている。
そのため本書だけでなっとくしてもらっては困る。
常微分方程式の一変数の特殊なタイプ例えば、ベルヌーイ、リッカチ、
クレーローや積分因子法等は説明されているが、級数法の解説が甘い。
確か、ルジャンドルとかはついてなっかたはず。
あと解の存在定理、一意性の定理が書かれていない。
結果的にメインのテキストとしては使えないと思う。