狂気と耽美の第13巻
★★★★★
秋山八重への仕置き、舟木千加の夜伽(後背位からの陵辱カット、鍛えているので締りがよさそう)、伊良子清玄といくの交合、そして徳川忠長の残忍さや武家社会の非情さなど、狂気と耽美に満ちた本巻は、文句なしに読ませる挿話と緊張感に満ちている。
「謀叛などではない、本来、自分のものであった将軍職を取り戻すだけ」(92頁)。
「真実のところは、必死でござった、道場で錯綜する全ての槍を、敵と心得て気を配っておりましたゆえ、さながら戦場の如く・・・ 余力など残りませぬ」(173〜175頁)。
そして、藤木源之助の剣は凄味を増し、真剣上覧試合の日は刻一刻と近づく。いやはや次巻が待ち遠しい。
忠長の狂気
★★★★★
徳川忠長の狂気の発露こそが、本巻のテーマであろう。
シグルイは、忠長の狂気に基づき実現された駿河城御前試合においての真剣勝負が真の舞台である。
本来、真剣による勝負は、当時、御法度のはず。
サディスティックに自分の配下の者を服従させ、場合によっては処刑してしまうことに快感を覚える。
忠長の前では、これまでの物語で活躍してきた登場人物も、皆、一様に屈伏するのだ。
牛をも持ち上げる怪力の乙女も、忠長に鞭で打ちすえられ尻から犯されても、ひたすらに耐えるのみ。
伊良子ですら危うく斬られるところを得意の雄弁で逃れたものの、恐怖で一瞬に髪が灰色に。
全ての巻において、主人公(藤木、伊良子)による息詰まる決闘シーンの連続を望む読者が多いのだろう。
本巻においては、藤木は前髪を落としてもいない若者に愚弄され、その指を叩き落としたにすぎないし、伊良子に至っては石牢に閉じ込められた人食い猿を斬ったのみ。
それでは、本巻は他のレビュアーの指摘するよう、物語の単なる引き伸ばし程度の巻なのだろうか?
否。
藤木と伊良子のお互いに対する執念はこれまで、十分に描いてきたかもしれないが、舞台回しの忠長の狂気は十分ではなかった。
前半では、伊良子を苦しめた虎眼こそが理不尽な舞台回しの主役であった。
おそらく、後半におけるその役割は、忠長なのであろう。
そのメッセージを、本巻で著者から受け取ったような気がします。
面白いけれども
★★★★☆
前巻を買ったときは続きを買うか悩みましたが、今巻は面白かった。
ただ他の方も言っているように、ちょっと引き延ばし気味かもしれないですね。
あと2巻くらいで終わってくれるのが理想的ですね。
このまま傑作として終わって欲しいです(;'Д`)
舌切り槍、笹原修三郎
★★★★★
人肉の味を覚えた大猿「ひひ」は分厚い毛皮と強靭な骨格におおわれ一太刀で仕留めねば二の太刀はない。
そんな大猿VSイラコ!
そして大蛇の舌という小さき的でさえ性格に刺し貫く「舌切り槍」と呼ばれる槍術を持つ天下一の槍使い笹原修三郎が登場。
槍鬼VS虎眼流藤木!!
今巻もじっくり堪能させていただきました。
面白い…が
★★★★☆
内容は、原作を読んだ人ならわかる、最強の男笹原が再登場します、初めて出たときよりも格好よくなってます…
更には源之助最強技も形を見せ始めます
読んでいて、中身は前巻に比べて「いいじゃん、シグルイらしいじゃん」という感じです。前巻は前巻で三重に大笑いさせて頂きましたが…
ですが、9巻までの跳ぶようなテンポのよさはありません。決戦前の前置きが長すぎる
月刊誌掲載でコミックは半年に一冊くらいですから
そろそろイラコとの死闘が見たいですね