ところがその後の現実の展開は全く違った。中山素平は百歳近くになってもリストラが急務だった興銀の顧問を辞めずに、自分の名声を使って自分が理事長を勤める大学への寄付金集めに不況であえぐ大企業を回って迷惑がられる老害の象徴なような存在になった。著者は国士きどりで、ただ外資憎しの感情論で物を言ったり書いたりするデマゴーグ(やはり老害か?)に変身し、興銀自体は不祥事を起こして試行錯誤を続け、その役目を終えて都銀二行と合併した。その意味で今、本書を読むとしらける。星三つ。今ではその他よくある企業のヨイショ本のさきがけだったのかと思える。従って星五つと三つの間の星四つとする。