二作品の一番の違いは脇役キャラが「おせん」では生きているのに対し、「ぶら雲」では影が薄くなってしまっているところでしょうか。江崎君も板場のトリオも、仲居のお姉ちゃんたちもそれぞれ存在感抜群です。それにしても「初鰹」以来で江崎君にも春が訪れたようなので、清二さんと君香姉さんも幸せにしてやってください。お願いします。
それにしても戎真子ちゃん、その体の伸び縮み具合はDr.スランプあられちゃん状態ですな。気をつけてください。
この巻のメインである「眼を用立てる編」は、きりきり亭でも同じようなエピソードがありますが、もちろんまったく別物として楽しめます。
「だってあたくし、天才なんですもの」とズバッと言い放ち、実際モノを見る目は常人離れしている真子が登場。一目見ただけでその人の嗜好がすべて分かってしまう天才です。
しかし骨董の真贋とその適正価格・人の嗜好は分かっても江崎のような純粋にモノを見る目がない為、自身の目でモノを見ることが出来ないということに気付く…
江崎と真子のやり取りも絶妙。なんかにこにこしてしまいます。
毎回説教くさくなりそうなテーマなのに感銘こそすれ反感を覚えることがないのは私だけではないはずです。