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斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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その並々ならぬ情熱がすごい ★★★★☆
日本の北の北の果て、北海道は宗谷岬にそびえ立つは、地元の民から
「斜め屋敷」と呼ばれている別荘、「流氷館」。その通称が示すとおり床は
若干傾き、実に不可思議で住むにはめんどうな構造を持つこの館を建てた
張本人、好事家なオーナー浜本幸三郎は、聖夜を祝うためにゆかりのある
者たちをこの別荘に集めた。しかしその24日の夜、別荘にて突如幕を切っ
て落とされたのはクリスマスパーティー、ではなく、何者かによる絶対的に
不可能といってよい密室殺人ショーだったのだ…。


僕が知人に勧められ手に取った初めての島田作品が、この『斜め屋敷の殺
人』だ。そんな読後に抱いた最初の感想は、そのトリックの驚くべき「ダイナ
ミックさ」と、「推理小説」というジャンルに対して向ける作者島田の並々なら
ぬ情熱、ストイックさだ。

密室殺人のトリックの謎解編を読んだ際に「ああ、そういうことか」と靄が晴
れたような心地よさはこれまで何度も味わってきたが、この人はトリックはと
にかくダイナミックなのだ。すさまじいのだ。こればかりはそれぞれ読んでも
らわなければならないが、特にこの小説の最も根幹を成すトリックは「トンデ
モ」ではないものの、分類されるとすればトンデモの棚とはきわめて薄い壁
で仕切られているだけに違いない。それぐらい常軌を逸し、ダイナミック。

さらに、この人は「ストイック」でもある。この作品全体からなみなみと発散さ
れているのは、読者に本気の推理勝負を仕掛け、またその自分が本気でこ
しらえたトリックを読者にも本気で解いてほしいという熱意である。そのストイッ
クさは謎解き編にまでおよび、問題編(つまり事件発生中の前半の小説)の
ある場面にて、読者が謎を解くのを困難にする瑕疵を自ら見つけ、それをかっ
こ内で自ら謝罪してさえいるのだ。ここまできたら、一種の「スポーツマンシッ
プ」とさえ表現できる。
本格の醍醐味 ★★★★★
奇想天外なトリックが冴える快作です。本格好きなら必読です。
そこまでしなくても! ★★★★☆
最後に声をだして笑ってしまいました。
トリック含め、舞台も人物も本格推理ワールドという「異世界」へ
トリップするためだけに構築されている。
リアリティをもとめるのは野暮というものです。
ただ外れる読者にとってはとことん外れる作品でしょう。
そこらを踏まえて読み始めるとよいと思います。
花壇のアレがあまりにそのまんまで拍子抜けな点、☆1つ減らしました。
大トリック炸裂 ★★★★★
クリスティーの『アクロイド殺し』に匹敵するであろう生涯忘れない大トリック。本格ミステリーの再読は殆どしないが、これは二度読みました。御手洗の奇妙奇天烈な行動と大トリックが見事に融合し、文章も読みやすい。一撃必殺のトリックは凄まじく、唖然とするか笑うしかない。緻密な構成と現実的でないトリックが絶妙のハーモニーを奏でる。個人的には御手洗物のベスト。或いは、日本のミステリーで一番好きかもしれない。傑作です。
斜めの美学 ★★★★★
付随してくる細々とした謎は必要上おぼろけながら陽光の下へさらせるでしょうが、メインの
トリックだけはほとんどの人が解けないでしょう(でもそれ故の島田ワールド、御手洗ワール
ドですよ!!)。

言葉通りの【斜め屋敷である必然性】のある研ぎ澄まされたトリックの美学もさることながら
やはり島田荘司という人が書くミステリーは他とは一線を画します。
異常なまでの知識欲から滲み出て溢れんばかりの古今東西ネタ。あまりに生々しく喜怒哀楽、
起承転結すら備えてる人物描写。そして何よりは画一的、直線的にならない全体の構想。
まるで慣習を超越した斜めの視点からすべてを達観、諦観してる如くですね。

さて事件の全貌もそういきたい所ですが、さっぱりわからん(笑)となっちゃいますね。
だが推理の過程で千差万別だった読者の心境を、トリック露顕後にひとつにまとめるのが
御手洗君ですね(これは彼の持つ超不思議な魅力によって誰彼構わず不満のフの字も有無も
言わさずまとめてしまうのです)。

単調な日々に退屈してるアナタ、ここにそんな現実から遊離させてくれる魅力的な一冊があり
ますよ!!読んでる最中は勿論の事、読了後2〜3日もふと思い出してはニヤニヤさせてくれる
ような幸せをくれますよ。