オリエンタル
★★★★★
舞台は東洋ではないかもしれませんが、でも東洋の香りがするファンタジー傑作漫画です。
水がごちそうである『西から来た箱』がおもしろいです。すごく背の高い女性のおはなし。『百鬼夜行抄』の感じがどこか漂います。
今さんのあとがきの『妖婆屍棺の呪い』映画ですが、柳下毅一郎さんの本によると原作はニコライ・ゴーゴリの短編らしいです。
水を巡って雲を介し土を踏む。クリスタルな逸品。
★★★★★
鬼人と人間があたりまえに存在するオリエンタルなお話。どこもかもが砂漠のような大地で生きる小規模民族たちの水を追う姿に、現代の温暖化現象がふと頭をよぎる。私たちも温暖化現象が進んだらこうして人々が少なくなり、子どもは育たず、老人ばかりがただ、日に3食を水のみで過ごすという殺風景な世界になってしまうようで、なんだかどこか昔の話としてだけでは捉えられなかった。鬼人だと自身が気付かなかったエンはそんな世の中に、凄く冷静で強く、農作業の好きな青年ジェンファとともに逞しく生きていく。とても勇気付けられるコンビだ。「百鬼夜行」と似たようなもののけが様々に現れるが、私が一番気色悪いと思ったのは「西の巫女」と呼ばれる鬼人で首を切られても喋っているおばあちゃんで、楽しいこと請け合いである。
説得力のある水乞いの儀式
★★★★★
これは水に困った人々が「雨乞い」ではなく「水乞い」をする物語。今まで多くのその手のものを読んできたが、これが一番、正しい(?)やり方のような気がする。それほど説得力のある設定だ。きちんとした儀式の作法が受け継がれていかない理由もきちんと描かれている。
お話としては地味だが、美しい絵柄で、ちょっとコメディなものも、哀しい物語もあり、読みごたえのある1冊。こういうものを今の業界で書かせてもらえるというのは、やはりそれだけの実力があるからだろう。
しまった!文庫だ!
★★★★☆
やってしまいました。これは文庫版だったんですね。
コミックス版の『岸辺の唄』は中古以外手に入らなかったので
こちらを買いましたが、自分はこの続編のコミックス版『雲を殺した男』
を持っています。
この本の収録内容は
岸辺の唄
予言
氷の爪石の瞳
失われた岸辺
西から来た箱
雲を殺した男
あとがき 昔々ある所に・・・
つまり本編のうち3作品がかぶっています。
(まあ自分の調べが甘かったのですが・・・)
皆さんも気をつけてください。
内容ですが、昔の中国あたりの「水乞い」の話です。
妖怪のような「鬼人」が普通に存在し、生きるための水が
乏しい世界で繰り広げられるファンタジーで、とても
美麗な絵が特徴です。
鬼人でありながら美しい人間ドラマを演じるエンの旅の始まりを
皆さんもぜひ見届けてみてはいかがでしょうか。
予想外の結末!!
★★★★★
あと二月のうちに旱魃で、すべての人は死に絶えてしまう。皆を救う方法はただ一つ。河伯の住む翠湖まで行くこと・・・。
中国風のオリジナルルファンタジーで 綺麗な物語の数々。
どれも予想が出来ない結末で、とても奥が深い作品でした!!
これは何度、読んでも面白いものでした。