命への慈しみ
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著者である佐藤初女さんは30年も前から自宅を開放し、心を病んだ人、苦しみを抱えた人たちを受け入れて来ました。その季節に採れる新鮮な素材の手料理とおむすび、そして、黙って傍らに座る著者によって多くの人が癒され、励まされました。 そんな著者を慕う人たちの奉仕や寄付によって、霊峰岩木山の麓に「森のイスキア」という憩いと安らぎの場が開設されました。
第一章 冬 いのちへの気づき
第二章 春 人生の種蒔き
第三章 夏 心で生きる
第四章 秋 希望の鐘
著者の生い立ちから「森のイスキア」開設に至るまでの日々や「森のイスキア」の四季を巡る「食」「信仰」「出会い」が美しい写真とともに紹介されています。各章に<佐藤初女さんへの手紙>が一通ずつ引用されています。
「耐えがたきを耐え
忍びがたきを忍び
許しがたきを許し
あたたかい太陽を思わせるやさしい言葉
冬のきびしい寒さにも値する愛情ある助言
慈しみの雨のように涙を流しては共感する
なごやかな風を思わせる雰囲気
それが母の心
佐藤 初女」
巻頭の言葉に著者の生き方が集約されていますが、一冊を読み終えた時、一人一人のいのちを、また、どの食材のいのちをも限りなく慈しむ著者の姿が浮き彫りにされ、著者の命への慈しみにあたたかく包まれ、命への気づきを促されます。
食という日常の営みを通して人生を深く見つめなおすことができる一冊です。
映画出演をきっかけに、半生を書かれた本
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女房に勧められ、興味深く読み終えました。
ご主人のことがもう少し書かれていると(男性としては)良かったと思います。
案外、古いタイプのご主人だったのではないかと推察しましたが、たぶん、魅力のあるかただったと想像します。
PHP研究所 (1997/05) 出版 おむすびの祈り―「いのち」と「癒し」の歳時記 (単行本) と同一の内容で、文庫化されたものです。ご注意ください。
最も俗なる営みに宿る最も聖なる営み
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ひととして生きる上で、だれもが忘れていることってありませんか?
食べること、ひととかかわること、そのときに自分の感覚をありのままに感じること。
最後まで読み終わったとき、ひとつの生命体としての自分を意識します。
食べ物ひとつひとつが生きており、そのいのちがわれわれの中でふたたび生き直す。
現代を生きるひとすべてに捧げたい一冊です。
食べることって何だろう?
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初女さんの結んだおむすびを食べたくなりました。
そして、いつの日か、そんな「おむすび」を結べるようになりたいと思いました。
愛の波動にあふれた本です
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清らかで、温かで、愛の波動に満ちあふれた本でした。すっかり心が洗われ、穏やかで幸せな気持ちになりました。佐藤初女さんは、まさに、日本のマザーテレサのような方だと思いました。以前「今を生きる言葉−森のイスキア」を読んで感動し、そのとき初めて初女さんのことを知りましたが、この本は、初女さんのこれまでのことが詳しく書かれていて、また一段と感銘深かったです。初女さんが大切にしている「心の貧しい人は幸いである」という聖句を、私も心に刻んで、毎日を過ごしてゆきたいと思います。