専門家の分析結果と処方箋
★★★★☆
procrastinationという単語は,日本語では「グズ」「先延ばし」と訳されているが,
「グズ」という日本語になると,単に,幼い子供が,ぐずぐずと文句を言っているような印象になる.
要は,日本では,専門用語がないような気がしている.
それは,大人が,ある部分では突然,効率が落ちたり,締め切りに間に合わなかったりすることの
分析,解決法を研究する専門家がいないのか,少ないのか,ほとんど聞いたことがないことの理由の一つの気がする.
自分は,論文が書けない.発表はいくらでもできる.以前から謎だったが,
「完璧主義」「抱え込み」の二つのタイプの合作であると判明.
胸につきささる感じで,つらい.
改善方法も記載されているが,先延ばししなかったら,要するにグズがなおれば,かえって仕事が増えるのでは
ないかと自分も心配していた.だから,もう仕事を増やさない理由として,多くの仕事を締め切りがすぎてから
行っていた.
一番,大事なのは,最終章です.改善するのに数年あるいはそれ以上かかるし,逆戻りもする.
それでもすこしずつ進むことが大事と書いてある.
最終章を,毎日毎日読みながら生活すると,落ち着きが得られます.
自分を変える突破口になる貴重な本です!
★★★★★
同じような課題を取り上げた本の中でも、ダントツに有効で有意義な本です。
先延ばし症候群について、より詳細にタイプ分けをして、それぞれのタイプに関して、
症例、根源的要因、対処策を具体的に明白に綴ってあるので、非常にわかりやすかった。
本書を読み進めて行くと、自分の内面を客観的に見つめ直すことができるのだが、症例の中に自分の姿を見るような
ケースもあり、胸が痛くなる部分も少なくない。
しかし、ここまで理路整然と明快に説明してくれていると、自分自身を素直に受け入れることができ、自分だけではないのだ、同じような人も克服できているんだ!と励まされて、前向きな気分になれた。
この年になって自分の癖や生き方、すぐには変えられないけれど、この本を支えに、今からゆっくりとしっかりと前向きでハッピーな自分になれるよう、頑張ろうと思う。
この本に出会えたことに心から感謝している。
必ず★4個以上の本です。
★★★★★
初版がでてから10年近くたちますが、「グズ」関係の本では本当にすばらしい出来だと思います。このレビューを書いているとき、平均点が3.5というのは「ありえない!」と思ったのでレビューを書く気になりました。私は何度も読み返しています。
理由としては、
■自分のグズのタイプがどれかテスト形式で把握できるようになっている
■グズのタイプ別に細かく分析してある
■グズにありがちな行動がたくさん出ているので、自分に思い当たる節が発見できる
■理論的にどのような考え方をすれば直せるか具体的に書いてある
■グズを直すために潜在意識まで深めた創造的なイメージを練習する方法が書いてあり、心のそこから直すようにできる
グズのパターン6種に分解し、それぞれに対応した事柄が書いてあるのです。もちろんグズにはそれらのパターンが何個か見受けられるケースが多いそうですが、自己変革にむけての章を最終章にもうけてあります。
理論ばかりではなく、心の底の原因に対処できるように書いてあるのが特徴です。
グズをただたんに「整理する」「きちんとする」などという行動レベルから、真になおせる意識レベルまで自分を変えたいと思う人にとって非常に有益な本だと思います。
ぜひ読んでみてください。
日本人にはぴったりの訳書にした・・・?
★★☆☆☆
斉藤勇氏の手が入っていない「グズの人には訳がある」を先に読んだのですが、
そちらの本が見事に当てはまって(私は夢想家グズタイプ)作者の意のとおりなぜいつも
このパターンに陥るのか驚きをもって理解して、そして実行したら本当に世界が変わりました。笑
文庫版が欲しくて本書を買ったのですが、「日本人にぴったりの訳書にした」とありますが
無駄にポイントを散漫にしていたり、少なくとも夢想家グズのことは理解していないせいか、
なぜ原書をそう変えるのか・・と思うようなことがあったりします。初めとは別の本のように
すんなり入っていけませんでした。
痛い!
★★☆☆☆
リタ・エメットの「今やろうと思ったのに」もグズ(こちらもカタカナ表記)に関する本ですが、どちらを購入しようかな?と思った方には、そちら(リタの方)をおすすめしたいです。こちらは「痛い!」です。「何でしないわけ?」「伸ばしたところで、何かメリットがあるわけ?」「それよりも、こんな恐ろしい事があるわよ」と畳み掛けてくるのはいいのですが、私の場合途中でげんなりしてしまいました。自分だってグズである、ということがコンプレックスで治したい、治るものなら治してみたい、と思っているからこういう本を手に取るのに、グズがどれだけ悪か!ということばかりを追及されているような。そのわりに、「じゃ、どうしたらいいの?」が具体的ではありません。それよりも「出社してから、一つ仕事をやり終えるまでコーヒーは我慢。自分にご褒美をあげましょう」のリタ・エメットの本のほうが同じグズを扱っていても、私には好感が持てます。