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ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)

価格: ¥730
カテゴリ: 文庫
ブランド: 双葉社
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ハードボイルド・エッグ ★★★☆☆
安心して読めるミステリー。
おばあちゃんの正体にもう一工夫あっても良かったと思うが。
生きる事の意義を笑いに包んで描いた傑作 ! ★★★★★
多彩な作風を持つ作者が、題名の通り、フィリップ・マーロウに憧れる私立探偵最上を主人公として、ハードボイルド物のパスティーシュに挑み、笑いと感動をもたらせてくれる良質の作品。「深夜プラス1」も言及される事から、チャンドラーと言うよりはハードボイルド全体を対象にしていると思う。

マーロウに憧れ私立探偵になった最上だが、扱う主な事件はペット探し。秘書を応募すれば、やって来たのは得体の知れないハリキリ婆さんの綾。しかし、最上は飽くまでストイックに生きようとする。困った時の"へらず口"、人工的な比喩を用いた会話(これはロスマクの影響大)の用法が巧みで、綾との珍妙なやりとりと共に私は何度も声を上げて笑ってしまった。ストイックに生きる事が、限りなく滑稽に近い事をイヤと言う程味合わせてくれるし、後述の結末との照応が見事。ペット探しが暴力団絡みの事件に結び付く辺りは常道に近いし、真相もほぼ見えているが、アクション・シーンが自然に入ったり、その描き方が本当に巧い。

ストイックに生きる事が、実は狂気にも近い事を示す辺りに凄みがある。また、チョイ役で出て来るイジメを受ける少年、重要な役割を果たす天衣無縫のホームレスのゲンさん。生きる事の大切さを示すと共に、人それぞれの生き方が存在する事を教えてくれる。特にゲンさんの造形は秀逸。そして、チャンドラー「プレイバック」を引き合いに出して示される、人間の"生き甲斐"。感動的な結末である。作者の作品はかなり読んでいるが、一番感銘を受けた。生きる事の意義を笑いに包んで描いた傑作。
二人の素っ頓狂なコンビネーションでありながらも、なんかほっとさせるものを感じる。 ★★★★☆
主人公は、ハードボイルドを気取っているが、ハードボイルドになりきれていない最上とダイナマイド・ボディ(?)の秘書である老婆の片桐綾である。二人とも理想と現実がわかっていないようで、頼れるようで頼れない感じである。二人の素っ頓狂なコンビネーションでありながらも、なんかほっとさせるものを感じる。

最初は、動物探しと秘書探しとフィリップ・マーローの薀蓄ばかりでなかなか話が展開しなく、退屈であるが、中盤になってから探偵と秘書は「柴原アニマルホーム」の柴原の妻翔子の父相沢清一殺人の犯人を捜すのである。そこから話の展開がスピーディになる。二人のコンビネーションのおかしさで読み進めることが出来たと思う。最後は、殺人事件の結末であり、秘書のことであり、しんみりし、感慨深くなるのである。
読み終わると、タイトルの意味が二重に奥深くなります ★★★★☆
タイトルの意味が途中でわかるんですけれど、ラストシーンで意味に深みがかかります。
今回のラストシーンは、登場人物のそれぞれの生き方というか、方向性がポツポツと示される形でつづられ、ちょっとセンチメンタルに、かなりシブイ終わり方。夕暮れ時のように静か過ぎてせつない。この作者のラストはいつもお洒落ですね。

主人公はフィリップマーロウ(チャンドラーはすばらしい)にあこがれて私立探偵になった男。
しかし実際の仕事は動物捜査と浮気調査がほとんど。
理想と現実のギャップにあえぐ気持ちはあれど、その気持ちをハードボイルド風にやり過ごしています。
ひょんなことから知り合いの父親が殺され、その犯人が動物であることから警察捜査は終わってしまいます。
自身も犯人に間違われた探偵は、友人のために犯人である犬を捜すことになるのです。

衝撃は大立ち回りが展開されるやくざに立ち向かうシーンではありません。
友人と奥さんが豹変するシーンこそがこのストーリーの本当の
山場です。
そこはあまりにも静かに物事が進み、それゆえにヤクザの比ではないほど恐ろしいです。

しかし、そのシーンのカーチェイスの書き方は、「こんだけ怖がらせといてこれかい?」と思うくらいに面白い!
「茶碗!箸!」のセリフには思わず笑いが!

全体的に片桐綾というおばあさんが、雰囲気を決めています。
主人公の決めきれないハードボイルドさが、綾のキャラクターで見事に生きてくることになるのです。

いやー、この作者は本当に弾力のあるお話を作りますね。
天才だなーって思いました。
ラストはこの作品の評価が分かれる所だろう ★★★☆☆
ハードボイルドかぶれの探偵と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書
が殺人事件に巻き込まれる。主人公の探偵としての特徴を説
明するためだろうが、導入部が少し冗長に感じた。

フィリップ・マーロウのパロディーなのだが、主人公のかっこ悪さ
や秘書との絡み、ユニークな脇役達など、ユーモア小説として
楽しめる内容となっている。フィリップ・マーロウのファンも、フィ
リップ・マーロウを知らない人も笑って読めるだろう。

しかし、ユーモア小説と言っても、本筋のストーリーは極めて
オーソドックスで基本に則っている。それゆえミステリーを読み
込んでる人なら途中で犯人の想像はついてしまうだろう。

ラストは少し切ない。この作品の評価が分かれる所だろう。
個人的には、エンターテイメント作品として割り切り、バカバカ
しくも明るいラストにした方が良かったのではないかと思う。