今回も恐ろしくも風変わりなエピソードが満載だ。
前半~中盤にかけて、「超」怖い話ならではのバリエーション豊かな怪談が並ぶ。
「怖い話」もあれば「ほのぼの」とした話もあって、全く飽きさせない。
そして、終盤。
禁断の「呪・祟」の厭話がこれでもか!と収録されており、「超」怖い話の恐ろしさを垣間見る事になるだろう。
今巻のポイントは、あの『生理的に厭な話書かせたら日本で三本の指に入る』平山夢明氏が、
とぼけた味わいの怪談を多数書いたことと『心霊落語』の加藤一氏が、とんでもない厭話を書いたこと。
互いの得意分野(と思われている)とは違う怪談を書いたのにも拘らず、これが素晴らしい。
元々平山氏はこういった不思議で変わった話も得意であり、加藤氏も人を驚かせるのが好きな人だ。
こういった「挑戦」する姿勢が「超」怖い話ならではである。
彼らが「現在最高の実話怪談チーム」である所以だろう。
これぞ実話怪談であり、「超」怖い話である!と太鼓判を押せる一冊。
増刷分には大幅な修正も入っていると聞く。
未読の方は今からでも遅くはない。是非ご一読を……。
読んだ後、寝ているときに魘されても当局は一切関知しない。