多くの「気づき」があります
★★★★★
「売れる酒」を作っていた著者が、「人に喜ばれる酒」を作り始めることにより人生が変わっていった体験から語られる哲学を、「発酵」を通して伝えています。
たくさんの「気づき」がある、とてもいい本です。
ロマンチストな一個人の生き方としてなら可??
★☆☆☆☆
正直微妙です。
本書の著者は日本酒というものを本当にわかっているのでしょうか?
養命酒も「ハーブの恵み」(だったかな!?)という商品に今年から替わりますが、
まさにポスト養命酒造りとして人生を懸けた!?とある一個人の半生記というのなら大丈夫です。
私は日本酒を愛してますが、このような誤解を招く内容はかなり問題作だと思います。
例を挙げますと;
日本酒の酵母は石油が原料、と書いていますが、それは昔の話。今は植物由来のものを使用しております。
ちなみにワインの酸化防止剤(化学薬品で劇薬!!)なんかは日本酒の酵母の2500倍も入っています!?
また、蔵付き酵母の話ですが、日本酒の製造過程でもろみが発酵している際は、別に蔵全体の菌が関わっているわけではなく、
発酵中のもろみの中はすでに菌でいっぱいで、外部からの侵入は出来ない飽和状態です。
蔵を殺菌してようが、してなかろうが、もろみへの影響は一切関係ありません。
また発芽玄米酒には酒の大敵である火落ち菌も一緒に存在しているほど、菌の生態系ができあがっているみたいな事を言っていますが、
火落ち菌は何処にでもいるので、殺菌した蔵でも普通にいますし、発酵しているもろみのそばにも普通にふわふわ浮いております。
一番問題の『蔵付き酵母』ですが、こちらの蔵は以前、協会酵母を使用しておりました。
この協会酵母は『蔵付き』野生酵母より強いので、しばらく協会酵母を使用するとその蔵に棲み着いてしまいます。
つまり、協会酵母を一旦使用したことのある蔵では、後に蔵から採取した酵母はほぼ間違いなく協会酵母であり、
弱い野生酵母100%はあり得ないというのが現在の当たり前の常識であります。
蔵付き酵母使用と標榜している蔵のほとんどは実は協会酵母由来のものだったというのが現実です。
作者はロマンチスト過ぎて、現実を見落としているか、科学的検証と進歩に興味がないのか判りませんが、
あまりにも現在の最前線で頑張っている若い蔵元たちの良心と醸造学の進歩から目を背け、
一般読者に対して日本酒への悪い偏見を植え付ける内容となっていることはとても嘆かわしいことです。
そもそも著者は菌と酒を正しく理解しているのでしょうか?
日本酒は技術が第一の、世界に誇れる醸造酒。ロマンスで醸すものではございません!
昔のままで、自然のままで、空気が綺麗で、野生の菌がいっぱいいて、農薬無くてetc......なんて言うのは何も知らないド素人の考え。
幻想もそこまで来ると病的としか言えません。
菌から学んだといいますが、菌に『和』など、胃腸の中ぐらいなもので、
お酒の発酵の世界では、完膚無きまでに相手を絶滅に追いやることにより日本酒としての健全な発酵が進みます。
菌は残酷、非道、徹底的なもので、感情など持ち合わせておりません。確実に実行する精密なマシーンです。
そして内容も、何々に効いた、病気が治った!など、経験的主観に基づく結果だけ先行している内容で、全く科学的根拠のない事例が列挙されています。
テレビショッピングやネズミ講みたいな、人を欺く危ない内容とも受け取れるまやかしの路線へ突っ走って行っているので、危険な内容とも受け取れます。
正直、読み続けるのが苦しかったです。
人としての生き方がわかる本
★★★★★
人生に生きがいを感じない方にオススメです。著者が私利私欲を捨てて、「人に喜ばれる酒」を作ることにより人生が変わっていきます。ボクもこの本を読んで、「人に喜ばれる仕事」を目指して生きていきます。
生きる活力にも
★★★★☆
入院中の父にプレゼントしました。
甚く気に入って、寺田本家のお酒も飲みたい…、酒蔵も見学したい!と
前向きになってくれました。
私自身はまだ読んでいないのですが、とっても元気を分けてくれる良書だそうです。
近々読んでみようと思います。
魂のこもった生き方を学ばせていただきました。
★★★★★
この本を読んで、人は何の為に生きるのか、著者の寺田さんに学べさせてもらいました。
その探究心、使命感といいますか、、己の魂を賭けて挑んだ、著者の誇り高い
清らかで、なおかつ情熱に燃えた酒造り取り組む姿勢に、天が味方するのだなというのが感想です。