味方だ、と思う。著者自身、買い物依存症やセックス依存症などに悩みながらも、
「一生這いあがれないわけではない」と大きく構え、明るく大胆なる発言と明晰な分析力と論理力を以って
依存症に悩むヒトたちのココロの叫びを、代弁してくれる彼女。
読んでいて頼もしく、心地よい。

本書では、自身の依存症についてはあまり触れずにメンタルな病を抱えるヒトたちのレポに終始しています。
インタビューを受けているのは、過食症、DV、共依存、ペット依存、不倫、整形、メール依存、恋愛依存、虐待、、、などなど。ちょっぴりある一定方向にズレちゃった人々です。

中村氏は彼女らの話を聞きながら病気の要因や悪癖を憶測し分析しながら、しかし、
決して諭すような真似はせず、一般論で簡単に片づけられてしまう提言に対し、我々の側に立って異議を唱えてくれる。

中村氏の視点には、はっとさせられることも多く、社会問題や事件を単に一定の視点でしか見れないと
解決の方向性も見出せないのかもしれないのだなあ、と思うのでした。また、メンタルの問題も、
きっと、自分を責めてばかりでは回復しないんだろうなあと、改めて気づかせてくれるのでした。

女の一生は、本当にドラマだと思う。そして、どうして人はこんな思い悩むのだとつくづく思う。そして、振り返れば若かったはずなのに、心はいつも痛めつけられているようなことばかりだった。中村うさぎさんのこれからの活躍に期待をかけたくなるようないいルポでした。