ストーリーについては戦時中からの明智と二十面相の因縁話というのが新しく感じられ面白いと思った(回想シーンのたけしと宮沢りえが良い)が、全体的にトリックは安易。ショボくてがっかり。
いろいろ突っ込みどころはあるがラストはちょっと「おおっ」て感じでしたね。(あれはCGなの?)
そして最後には明智小五郎に見えてきた田村正和。やはりかっこいい。
こういうドラマでいつも思うのだが、脇役をここまで豪華にする金があるならもっと質のいいものを作ってもらいたい。(黒木瞳もチョイ役)。 だから星ふたつ。
しかも二十面相だから、ただの冒険活劇だと思いきや、けっこうテーマが重い! ちょっと社会派ドラマになってるよ。ラストの大どんでん返しには涙を誘われました。
これをミステリーだと思って鑑賞すると腹が立つかもしれません(トリックは綻びだらけなので)が、人間ドラマだと思って観ればけっこうキますよ!! つか、マジ泣きしてしまいましたしね、私は。
ただ惜しむらくは小林君。小林君には、もうちょっと美形のお子様を配置して欲しかった。だから減点1。
しかし、どうしようもないこと。それは年齢。田村正和は悪くなかったと思う。というよりも意外と合っていたと思う。多くの人は、古畑任三郎と重ねたようだが、本人も語っていたように、私にはきちんと演じ分けがされているように見えたので問題なし。
しかし、たけし、だ。年齢から来る部分が一番出てしまった。二十面相は、もっと颯爽としているのに、どうしてもドタドタしてしまう。
まあ、それはいいにしても、やはり脚本に一番の難ありだ。二十面相と明智の因縁話を描く、と最初に聞いた時、そんなのあったかなと思いながら楽しみにしていた。しかし、戦争を交え、全く異質のものを入れてしまった。明智=二十面相、という説はある。しかし、二十面相がやってはいけないことがある。その点でも、この作品はマイナスだ。
あと、個人的意見。小林少年は愛敬があるだけではダメ。もうちょっと可愛い上に知的な要素が感じられるといいのだが(笑)。
いかんせん時代考証と演出と久本氏の演技が余り宜しくない。そこだけ惜しい。
よって一つ減点。★四つ。