名作、ただ中世寄り過ぎか
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DIOはヴィヴィアンまで、もっと厳しい方は2ndまで、と言う意見は多いと思います。私はヴィヴィアンのモチベーションが落ちてきた3rdより、一見地味ながら曲もギターもよく練られたクレイグの4thを支持するくちなので、4枚目まで許せます。その中でベストと言うと1st、2nd、4thの何れかになりますが、DIOワールド、音圧という観点からなら本作がベストでしょう。
ただ中世趣味が最高潮に達しており、様式美も程々でいい私にとっては食傷気味にうつるのも事実。ギターは凄まじい勢いを感じますし好きですが、単純に曲のよさで1stを選んで聴いてしまうなぁ…でも傑作です。
ヴィビアン時代の最高傑作。80年代のディオらしいスピード・ロック!
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ロニーの訃報を聞いて以来、あらためてロニー全参加作品を聴き直しています。
ロニーは結局、レインボウを脱退してから、ソロ→サバス→ソロ→サバス→ソロ→サバス(ヘヴン&ヘル)→ソロという流れで創作活動を行っています。これをどう「解釈」するかは、現在のところ即答は避けたいと思います。
ただロニー・ジェイムズ・ディオという稀代のロック歌手には、その創作の「出来」において、良きライバルやパートナーとの緊張関係が非常に重要な鍵を握っていたことは、容易に推察出来ます。
レインボウ時代には、司令塔のリッチー以外に、「名手」コージーがいたし、サバスには、「リフマスター」のアイオミ以外に、「参謀」ギーザー・バトラーの存在があったわけです。
本作はディオの2作目にして、最高傑作の誉高い名作です。個人的には、1枚目は曲は良くても、音がスカスカであまり好みではありませんが、この2作目は全体がさらに、加速され、音密度も高まり、良い意味で、「明るく軽快な80年代メタル」の時流に乗った傑作だと思います。
彼のピークは最初のソロ・ディオ時代、特にヴィビアン・キャンベル在籍の頃にあったのではないでしょうか。楽曲、バンドのパフォーマンス共に申し分ない出来です。
当時のバンドには、ソングライティング上の良きパートナーのジミー・ベイン、ヘヴィこの上ない職人ドラマー、ヴィニー・アピスの存在が光ってます。
でもなによりも重要なのは、ギターのヴィビアン・キャンベルです。彼の自在に弾きまくる姿は初期ディオのひとつのアイコンでした・・・
私個人は3枚目の「セイクリッド・ハート」が最も好きですが、ディオの代表作をどれか一枚と乞われれば、このスピード感溢れる2作目を推薦します。
ファーストと双璧
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ファーストと人気を二分する名作中の名作。音楽的には前作の延長線上にあります。やはり様式美メタルを歌わせたら御大の右に出るものはいない。Stand Up and Shoutに匹敵するDIO最高の正統派メタル1から、様式美の理想形ともいえる2への流れは完璧。キャッチーで爽やかな歌メロと小気味良いリフの刻みが印象的な6も最高。DIOらしいミドルテンポの3、スピーディーでスリリングな4、へヴィでスケールの大きな5、Rainbow in the Darkを彷彿とさせる7など名曲、佳曲揃い。前作に続き商業的にも大成功し、アメリカではプラチナムを獲得。ジャケもかっこいい。
ディオ逝く 彼の遺してくれたマスターピース
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ディオが逝ってしまった 彼が遺してくれた永遠のマスターピースがこれだ
ディオがアメリカでも売れるよう少しポップ色を出して来た頃(とは言っても同時期のポップ色の強いレインボウとは全然違う質感)の作品で、ポップ色とメタルが理想的にかみ合っている作品。彼のこの声は唯一無二のもので、かけがえのないものだった。ディオは本当に頑張ったんだと思う、そもそも彼はイタリア系で第二次世界大戦の最中に敵国のアメリカで生まれたわけで、幼少期にどれほど苦労したことか。。。。しかもあの歌声以外のハンデは大きかったはず。例えば、ディオのルックスがもう少し良かったら、そしてもっと背が高かったら(彼は、リッチーが所属していたパープルのイアンギランやデビカバのような希代のカリスマを持つボーカリストと比較される立場にあった訳だから)。。。。そんな弱点をあの歌声でねじ伏せてしまう、そんな彼は信念を持って頑張り続けたに違いない もしかしたらそんな頑張りが、彼の命を短くしてしまったのかもしれない
さて,アルバムに戻って、ギターの方はというと前のアルバムに比べるとヴィヴィアンキャンベルのギターに自信と安定が感じられる(速弾きの技術はそのままに,フレーズの間の取り方が自然になって歌心が増した) これが楽曲全体に良い方向に作用している 例えば#2ラストインラインや#4スピードアットナイトは素晴らしい出来だ ソロはいまいちだけど#1 ウィロックも言うまでもなく素晴らしい
ただ惜しむらくは,ヴィヴィアンはこのスタイルで極めてくれれば良かったのに、前座で一緒にアメリカを回ったドッケンのジョージリンチのギターに影響されて、弾き方自体を変えしまったのだなこのあと(85-86年ぐらいのこと) その結果として、滑らかかもしれないけど凡庸なフレーズが増えてしまったのが、次のセイクレッドハート 個人的にはヴィヴィアンがこういう風に変わって,最後にはデフレパードでもほとんどソロを弾かなくなってしまった デフレパートのもう一人のギタリストのフィルコリンよりもずっとフレーズも多彩で上手だのに。。。これだけは残念。
リフとメロディーの化学反応。ロニーのキャリアにおいても最高峰の1枚。
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DIOのセカンド・アルバムは、傑作の誉れ高いファーストをも凌ぐ「最高傑作」です。
何が「最高」かと言えば、それは「曲の良さ」に尽きます。
ギタリストのヴィヴィアン・キャンベルの「リフ」とロニーの「メロディー」の絶妙なコンビネーションが化学反応を起こした時、信じがたいほど感動的な曲を生み出すわけですが、このアルバムは化学反応のオン・パレード状態。まさに「奇跡」です。
各曲のひとこと解説は以下の通り。
1. We Rock
永遠のヘヴィー・メタル・アンセム(賛歌)。拳を上げたくなります。
2. Last in Line
ロニー得意の中世メタル。ミディアム・テンポの重量感溢れる曲。
3. Breathless
アップ・テンポのハード・ロック。
4. I Speed at Night
ロニー史上最速のスピード・メタル・チューン。GソロもGOOD!
5. One Night in the City
毛色の変わったポップな曲。DIOらしくないけど、悪くないです。
6. Evil Eyes
メロディアスなハードロックの佳曲。
7. Mystery
ハード・ポップ。1stの「RAINBOW IN THE DARK」パート2みたい。
8. Eat Your Heart Out
ギター・リフが印象的。
9. Egypt (The Chains Are On)
タイトル通り、エジプト風ドラマチック・メタル。ロニーの真骨頂。
■■■2010年5月、突然のロニーの訃報!!ショック。涙。REST IN PEACE。合掌。