西村京太郎氏と言えばトラベルミステリーが有名だが、初期の
頃は様々なジャンルの作品を書いていた。この作品は時代劇
である。西村氏の作品はほとんど読んでいるが、この作品は
まだ読んでいなかった。

物語は阿波藩のお家騒動に始まり、江戸から四国への旅、そ
して剣山での宝探しと、スピーディーな展開を見せる。いずれも
一癖ありそうな、魅力的な登場人物たちが次々に現れ、ドラマを
盛り上げる。

陰謀、謀略、恋、宝探しと様々な要素を盛り込み、また写楽を
登場させるなど、サービス精神に富んだ時代活劇として充分に
楽しめる作品である。

柳沢吉保と酒井但馬守の権力争いに巻き込まれた阿波藩二十五万石の運命は？
剣山に眠る伝説の埋蔵金をめぐり、江戸家老と剣客：荒木田隼人、闇の棟梁：仏の源十郎、さらに、柳沢吉保の甲賀忍者と酒井但馬守まで巻き込んでの争い！阿波藩の対策は？

西村京太郎のトラベルサスペンスよりも面白かった。
ぜひ、今後も書いてほしいです。