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四つの終止符 (講談社文庫 に 1-8)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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この愛情 ★★★★☆
推理小説としてのストーリー運びも一流ですが、人間ドラマを描いた作品としても高い評価
に値すると思います。
西村氏は、あとがきで聾者に対する世間の認知の貧困さに対しての怒りが本書の原動力と
なっていると記されているが、まさにその正当な怒りが本編のいたる所から横溢していて
一つの推理小説の枠を超えた強い社会的テーマを訴えた文学作品にまで昇華しています。

一体誰が晋一(しんいち)青年をハメたのか?を推理する上で二転三転するサスペンスの
盛り込み方も素晴らしいけど、その過程で描き出される様々な人間像が実にリアル且つ魅力的
で惹きこまれます。

文体はシンプルで読み易いですが、全体に流れるテーマはとても重く、読後自分の重心が一段
下がるような感覚になりますが、ソコに得られる物が沢山あるような気がします。。
下町に降り続く秋霖 ★★★★★
ミステリとしても一級ですが、下町の情景を非常に繊細に描写した作品という
印象が非常に強く残っています。
秋霖(しゅうりん)という言葉が最初分からなかったのですが、それでも小説
を読んでいくと、秋霖の冷たさが皮膚に伝わってくるような感覚に襲われたこ
とを、今でも忘れることはできません。
余談ですが、これを原作として、映画化もされたらしい。晋一少年を演じたの
が、田村正和!だったとのこと。私は未見ですが、これもまた「はまり役」だ
ったことでしょうね。一度是非見たいのですが・・。
緻密な人物描写 ★★★★★
他の評者の方が述べられている通り、社会派ミステリーです。現代では本書のように社会の問題と正面から向き合う本は、たとえ作家が希望してもなかなか出版しにくいのではないでしょうか。内容については、人物描写の緻密さは特筆すべきだと思います。特に事件の調査に当たる二人の主人公の心の動きはとても自然に描き出されています。一読されることをおすすめします。
初長編 ★★★★☆
西村京太郎の長編第1作です。聾者に対する社会の冷たい風を描いた社会派的な作品となっています。聾者の青年が病弱な母親に栄養剤を飲ませたところ、母親が砒素中毒で死んでしまいます。当然のごとく青年が逮捕されるのですが、彼の知り合いの女性が「聾者にとって唯一の支えであるはずの肉親を殺すはずがない」と考え、真相究明に乗り出すという話。素人が探偵役を務めることに対する不自然さがなく、彼女に対して自然に共感を持てるようになっているところがさすがは未来の巨匠です。

別に大掛かりなトリックがあるわけではないのですが、真相発見の為のヒントが随所にきちんとちりばめられており、本格推理としての骨格もしっかりしています。ところで、聾者に関する物語であるにもかかわらず、手話が一切出てこないことを不思議に思い、調べてみたところ、この本が書かれた1960年代には手話は聾者教育の場では認められていなかったのだそうです。
異色の傑作 ★★★★★
西村京太郎の作品はこれまで結構読みましたが、この作品は異色の傑作です。
謎解きの面白さに加えて、松本清張バリのヒューマンドラマ的要素が作品の主要テーマになっていて、
最近読んだ本の中では一番印象に残りました。
西村京太郎も昔はこういう作品を書いていたんですね。
もちろん、推理小説としても十分興味を持って楽しめます。

是非、読むことをお勧めします。