オーストリアの皇女アントワーヌは、14歳のときフランス王太子ルイのもとに嫁ぐことになった。しかし、ヴェルサイユ宮殿で会った15歳の彼はまだ少年だった。そんなティーン同士が結婚をしたが、義父ルイ15世の浮気、彼女に感心をしめさない王太子ルイへの苛立ちから、彼女は享楽的な生活を送るように。そんなとき、アントワーヌはスウェーデン陸軍のフェルゼン伯爵と出会い、恋に落ちてしまう。
世界的に有名なフランスの王妃マリー・アントワネットの半生を『ロスト・イン・トランスネーション』のソフィア・コッポラが映画化。歴史絵巻、大河ドラマになりがちなテーマだが、ソフィア監督は大胆にもアントワネットの青春映画に。ヴェルサイユ宮殿でのゴージャスなロケ、美しくキュートな衣装の数々はまぶしいばかりだが、そこに流れるのは軽快なロックナンバー。王妃の青春をザ・キュアやニュー・オーダーなどのロックで包み込むという斬新な発想には舌を巻くばかりだ。タイトルロールを演じたキルスティン・ダンストは軽やかだけど、どこか危ういヒロインを好演し、フレッシュな魅力に満ちている。ほかアーシア・アルジェント、ジェイソン・シュワルツマン、ジュディ・デイヴィスなど脇に個性派をズラリと揃えて、ソフィア・コッポラらしい現代的かつファンタジーのような“マリー・アントワネット”を作り上げた。(斎藤 香)
ミュージックビデオです
★★★★☆
映画祭でブーイングの嵐とは聞きましたが、ミュージックビデオ感覚で観ました。この監督にはストーリーは期待してないので。色彩がとても良いですね。あと不評だったと聞きましたがキルスティン・ダンストは悪くなかったと思います。
これを観て楽しめるのは女子だけでしょうね。間違っても彼氏を鑑賞に付き合わせると可哀想だと思います。
世界観が好きです!
★★★★★
マカロン、イロトリドリの靴、ドレス・・・、
女の子なら誰でも、見るだけでシアワセな気分になれる作品です。
華やかな王族の宮廷生活
★★★☆☆
ほんとうにヴェルサイユ宮殿でロケをした作品だけあって、華やかな王族の宮廷生活を垣間見ることができました。
ただストーリーらしいストーリーもなく、考えさせられるような場面もなく、ただただ宮殿でのアントワネットの放蕩生活が延々と描かれる映画でした。
使い古した題材の新しい解釈
★★★★★
ソフィア・コッポラが撮るマリー・アントワネット? と興味深々で見たが、如何にも
彼女らしく、レビューでは厳しい意見もあるようだが、敢えて満点を付けたいと思った。
一言で言うと、ステレオタイプのマリー・アントワネットでないところがとても良い。
衣装や食事、部屋の装飾にゲームやオペラ・・。何をとっても妥協しない美しさである。
色合いも良いし、流れる音楽も恋愛に突っ走るところではロックというのも合っている。
歴史に素直に流される等身大のマリー・アントワネットがきちんと表現されていると思う。
例えば壁に掛けられた「白い馬の絵」は、この時代は芸術作品などではなく、最も速くて
カッコイイ乗り物のポスターのようなものだったはずである。そのように考えてみたら、
この映画に登場する若者の風俗や心象は、案外ソフィアの解釈が正しいような気もする。
ベルサイユから見るとフランス革命も、あの位のノイズにしか感じられなかったのでは?
この映画では、祖国に残した愛犬をおねだりするシーンはあってもギロチンのシーンが
無いのは当然だと思う。最後に、DVDの特典おまけも如何にものご愛嬌があって良い。
一人の少女
★★★★★
ロックをつかったBGM、豪華絢爛なドレス、宮殿、最高級のお菓子…欲しいものが溢れるほどある映像はたまりません。迫力のある映像やスリルもなく、たんたんと話がすすんでいくので疲れてるときにゆっくり鑑賞して、お姫様気分に浸れます。(笑)
主人公は複雑で重たい思いを抱えていますが、それを重たく描かず、外側から間をおいて見つめてるような、ソフィア・コッポラ独特の手法(?)がこの作品でも生かされています。
私は実際のマリーアントワネットのことについては詳しく知らなくて、ただなんとなく「悪女っぽい?」「頭悪そう?」という偏見がありました。
でもこの映画のマリーアントワネットは現代の女性に共通する部分が多くあり、純粋さ、自由奔放さ、カリスマ性…など、愛すべき女性として描かれていました。
マリーのまわりだけが描かれていて、一般市民の出番はほとんどなく、宮殿の中に暮らすマリーには一般市民の暮らしや気持ちがわかる時などあるはずがありません。
14歳のただの少女が、親元や故郷を離れ、宮殿に入り、悪口を叩かれ、世継ぎをつくるプレッシャーにのまれ、寂しさやストレスから浪費していく様子がごく自然に描かれています。つまり、自然な成り行きなんです。