手元に置いておきたい本
★★★★★
女性のパワーを感じる本でした。
彼女たちは、長い人生の中で辛いことも沢山経験されたのに、そんな話は他人事のようにさらっと話す。でもその内容は、私には到底軽く受け止めることなどできず、読んでいて涙が出る箇所もありました。
この本には、登場された20人の方々の顔写真も載っているのですが、
どの方も慈愛に満ちた穏やかで優しい表情をしています。
何気ない言葉ひとつひとつをとってみても、
戦争という、大変な時代を生き抜いてきた彼女たちが口にすることによって
重みと説得力がある言葉に変わる。
自分を信じて 自分の道を 自分で切り開いてきた
彼女達の生き方に感銘を受けました。
日本と自分に誇りを持ちながら生きてきた彼女達の人生が綴られたこの本は
現代の日本女性が知らないこと、また忘れていることが沢山詰まっています。
何気なく手に取った本でしたが、ずっと手元に置いておきたい本となりました。
本当の美しさを体現している人たち
★★★★★
各界を代表する20人の女性たちへのインタビュー集。その20人とは、堀文子、相馬雪香、朝倉摂、春日とよせい吉、瀬戸内寂聴、尾中千草、吉沢久子、斎藤公子、三木睦子、高野悦子、佐藤初女、黒柳徹子、森英恵、季羽倭文子、暉峻淑子、田辺聖子、森岡まさ子、小泉清子、福田みどり、渡辺和子。
皆、女だからという考えはなく(育った家庭や父親がそういう考えでなかったというのがポイントなのだろう)、信念を貫いて生きて来ている人たちばかりだ。それに、もう年だからという考えも全く見られない。そして、ユーモアがある。困難(波乱万丈の人生を歩んだ人がほとんど、いや全員だろう)を乗り越えてきた精神力の強さと、何でも笑い飛ばせるくらい心の余裕がある。また潔い。振り返らず、くよくよせず前を向いて歩き続ける。
言葉にすると、やろうと思えばやれなくもなさそうに思えるが、ものすごく行動力と決断力がいることで、並大抵のパワーではないと思う。また度胸もいい。入念に準備してからという時間がなくても、えい、とばかりに現場に飛び込んでいる。成せばなる、という言葉がおのずと浮かぶが、これを才能のない人間がやったら・・・と、うじうじ考える時点で、ここに並ぶ女性たちのような生き方からは程遠いところにいるのだと分かる。本当に強い人は、しなやかで美しくて(写真を見ても、みな顔から慈愛のようなものが滲み出ていて、本当に綺麗だと思う)、こういう風に年を重ねていけたらなあと、ただ指をくわえて読むばかりだった。