世の中には辞書好きの方が多くいらっしゃるが、この本は、そうではない方にこそお勧めしたい1冊だ。タイトルの通り、現代に氾濫している様々な文化批評に関する辞典。「ジェンダー」や「ポストモダン」など「聞き覚えはあるけど意味はちょっと・・・」というものから、「深層心理」といったもはやお馴染みのものまで手際よくまとめ解説している。だから現代文学理論や文化批評になじみが薄くても、ついついページサーフィンしてしまう。そういう意味で新聞の文化欄、ちょっとこむずかしい話にも目を通す方にはよい入門書になること請け合い。
さらに特筆すべきはそこに挙げられている参考文献だ。数もさることながら、その項目に使用された「参献」が各用語の末部に載っているため、一目瞭然、大学生や研究者にもお勧めできる。
知ったつもり「理論」を振りかざしているそこのあなた、この本で裏をとっておいてはいかがです?