ネタバレなし感想
★★★★★
毎巻、してやられたと思う。
「覇気」「威厳」、また「絆」「信頼」などの目には見えないものを、
絶妙な間とセリフまわしで手に取るように感じることができる。
けして押し付けがましくない、しかし強烈なメッセージがそこかしこに散りばめられている。
作者の漫画センスに脱帽。
いい意味で期待を裏切られ続ける作品。
「何もかも引っくり返す」ために兄妹は進む。
★★★★★
本巻では学友リドの継承権問題がクローズアップされます。アカデミーはDXを利用してリドを故郷ウルファネアに帰国させました。
友の生命に関わる窮地にDXは即行動を起こします。神竜の剣レッセ・フェールを回収して一路ウルファネアへ。
窮地の友を救いに行くのは、「正しいこと」であるからDXに迷いはありません。
妹イオンも負けてはいません。アカデミーの権威の権化R.ケリーに向かって自分の気持ちをこう表現します。
「偉そうに怒ったってダメ!!」
「私が怖いのは相手が正しい時だけだもの!!」(70頁)
このシーンで私は魂を鷲掴みされ、激しく揺さぶられました。
それは、兄妹のそれぞれの「筋の通し方」が、DXとイオンが紛れもなく実の兄妹であることと、
しかしながら、DXとイオンは別々の人格を持っている別人であることが、おがき先生にしか出来ない神業で描かれているからです。
つまりこうです。「正しいこと」を訴えるのは難しい、しかし「正しいこと」を即行動に移すことは更に難しい。
その点において、DXはイオンの一歩先を進んでいます。でもふたりの気持ちは「自分は正しい」と信じている点で繋がっている。これも真実です。
「めんどうな人の思惑を飛び越えて」「何もかも引っくり返す」(96頁)ためにDXとイオンは進みます。
次巻がこれほど楽しみな漫画は極めて稀です。おがき先生と同時代に生きている幸せをかみしめています。
上手い!
★★★★★
上手い
とにかく上手い!
同人誌で研究しまくった結果の成果が身の丈で余裕を持って発表されているようで
キャラクターもそうだけど
とても安心して100%楽しめる漫画
おがきさんはすごい
★★★★★
DXと六甲が友人達の協力を得て、リド救出に向かう今作。
ハラハラドキドキで目が離せません。
一風変わってるけれど、きらきらしく自分に正直に生きようとする少年少女。
大人たちの不条理な圧力に耐えたりはねのけたり、それぞれの生き方、こころの移り変わりを描いています。
おまけの2作も、本編で描かれなかった彼らの深いところを描いていて素敵でした。