過去100年のカトリックを深く掘り下げた本です
★★★★★
この本のサブタイトルに「教皇庁の秘められた二十世紀史」とありますが、正確には過去1世紀に教皇庁絡みで起こった事件や謎について書かれています。
キリスト教が始まってからおよそ二千年の中で1世紀と言えば僅かな年月に感じるかも知れませんが、この100年は2度の世界大戦や共産主義の出現などかつてない激動の時代で、当然教皇庁もそうした荒波の中で困難な舵取りを迫られていたわけです。
そんな中バチカン市国の成立や第二バチカン公会議といった大きな転換点があったのを始め、ファティマ、ヨハネ・パウロ1世の急死などの謎が生まれたわけですが、この本ではそうした20世紀から21世紀初めに起こった事件や謎について深く掘り下げた内容となっています。
そうした深く掘り下げた本の宿命と申しますか、世界史やカトリックの歴史について大まかな所を把握しておかないと内容を理解しきれないかも知れませんが、逆に言えばそうした歴史を知っていて、過去100年のカトリックの歴史をより深く詳しく知りたいならうってつけの本だと言うことです。