戦争前夜の世相を代表する作品
★★★★★
水田仙吉とたみの夫妻、その子さと子の家族に、仙吉の親友でたみに秘かな思いを寄せる戦争成金門倉を中心に、戦争前夜から戦中にかけての、一つの家族の典型的なあり様が描かれています。
その語り口はユーモアに溢れ、人間の優しさを前面に押し出しています。
戦前における「夫婦」の在り方や、「親友」と言うものの在り方について、十八歳の娘の目を通して描かれています。
これらの主要人物だけではなく、脇に登場する人物たちもそれぞれ特徴的に描かれており、楽しく心温まる作品になっています。
特に、戦争前夜の世相を代表する作品と言えるのではないでしょうか。