銀行に管理会計があるのか、という疑問
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銀行管理会計というタイトルをみて、奇妙におもう人は、逆に、この世界に通じているひとかもしれない。あんな、お金で囲まれている業界で管理会計が議論されていなかったなんて、ほとんどの人は信じないだろう。
それは、「華麗なる一族」でみせられたように。官庁を向いて経営をすること、政治家とうまく付き合うことがが経営者の職務であったことと無縁ではないだろう、おそらく、銀行を、企業として経営するということはきわめてポリティックな仕事だったに違いない。ドラマでもまさしく政商という表現が相応しかったように。
しかし、もはや、銀行も、普通の企業と同じく、商品を開発し、顧客に提供するという業務を行う会社なのだとおもえば、経営のために会計情報を活用することは、経営のイロハでさえある。
まさしく、銀行の経営変革に際して、何が管理されなければならないかを示していることにおいて、この本は、歴史的な大きな意義をもっている。