小説を読む新たな視点
★★★☆☆
文芸評論家による小説の指南書です。実践練習を確実にこなせば、形としては小説は書けるかもしれませんが、“評価される”小説とはまた別問題であると思われます。
小説を書くという点では疑問が残りますが、小説を読む際に新たな視点から解釈をすることが可能になると思われます。
おすすめできない
★☆☆☆☆
原稿用紙の使い方についての説明で、「売っている本を見ればわかる」という旨のことを言ってしまうあたりからも、やる気の無さを感じる。
この本を読んだら、誰でも小説が書けるようになる。
★★★★★
清水良典さんの『2週間で小説を書く!』(幻冬舎新書)
を読んでいて、
71ページに目が釘づけになりました。
〈(……)小説を書くのに最も大切な書く力とは、
具体的な人物や行動や風景を、
目の前にあるかのように再現する力、
すなわち<描写>力である。〉
なるほど。
そうだったのか。
たしかに、これまで読んできた文章で、
「うまい」とうなった文章に共通しているのは、
清水さんの言う「描写力」です。
週刊誌の記者をしていたころ、同僚記者の
道端に咲いている花を描いた文章に、
理由はわからないけれど、ひどく魅かれたことがあります。
いま思うと、それも、「描写力」ですね。
清水さんの本は、一見、小説を書きたい人向けですが、
実は、文章を書くすべての人の参考になります。
つまり、
「文章を書くのに最も大切な書く力とは、描写力」
なのです。
*
あなたもこの本で、「描写力」を鍛えてみませんか。
目からウロコ
★★★★★
「読まれる」文章を書く技術について、役立つアドバイスが豊富!毎日ホームページを更新している人など、人に「読まれる」ことを意識して文章を書く人には、ふむふむ、なるほどと、目からウロコ。ただし、普段あまり文章を書いていないと、やや難解かも。私が文章を書く時いつも疑問に思っていた問題のいくつかは、この本を読んで氷解。「口語と文語の使い分け」「推敲のしかた」は特に参考になった。読まれる、読みやすい文章にするために、どこまで生の話し言葉をとりいれるべきか、たとえば、ガチョーンみたいな漫画ことばを入れるとどうなるか、考えるヒントを得られた。書いた直後に「うまく書けた!」と思っていた文章が、1ヶ月たって読み直すと何てひとりよがりの「いやな」文章か気づくことがよくある。書いた直後に自分で問題に気づく推敲術を学んだ。ただ、この本を読んで「2週間で小説を書く」のは、ちょっと無理でないか、と思った。「いまさら聞けない30の質問」コーナーは、作家の舞台裏がわかって、おもしろい。
小説家という仕事
★★★☆☆
文芸評論家が記す小説の書き方メソード。
確かに「実践練習」の課題は面白く、文章を書く人間にはトライする価値ありである。
しかし、ところどころに出てくる引用に偏りがあるのは否めない。
そして最後に印税の具体例を挙げ、「1200円の本が1万部売れて、やっと120万、年にその手の本を2本書いただけでは食べていけない」と現実を書かれると、本来のこの本の趣旨からは外れていると思わざるを得ない。