とっても楽しく読める論文製作の基礎
★★★★★
まさか論文マニュアルの本で笑ってしまうとは思いませんでした。
論文には普遍性が求められているので、ATフィールド(心の壁)を使って逃げてはいけないと
サブカルに造詣が著者ならではの表現で楽しく読めました。
最後のほうに駆け足で言い換えフレーズ集が目から鱗でした。
私は分からない → 解明できた研究者は少ない
〜はバカだ → 〜の見解には再考の余地が残る
〜は嫌いだ → 〜が一般的に受容される可能性は少ない
〜は読みたくない → 〜を正当に評価することは困難である
〜は読まなかった → 〜の評価はまだ定まってはいない
もうダメだ → 議論が錯綜してきたので、原点に戻ってみることにする
イヤになってきた → ここで筆を置くことにする
合格させてください→ 解明できた点は必ずしも多くはないが、若干なりとも寄与できたと思われる
秀逸です。
大変、勉強になりました
★★★★★
いわゆる論文の「お作法」の基本が書かれています。本書を読めば
内容はともかく、形式だけはOKの論文がかけるでしょう。
また、レベルでいえば、(学校学部によると思いますが)学部の卒論
はクリアーできると思います。
最小の努力で卒論を完成するには最適の一冊だと思います。
実際に役立つ知識が豊富
★★★★★
論文を指導・審査する大学の先生の立場を鮮明にしつつ実際に役立ちそうな知識を体系的が披露されています。僕も今論文を書こうとしているのですが、この本の論文の構成をどうすべきかの部分を読んで大きなヒントを得ることができました。それは起承転結に関わる基礎的なことです。当然自分も理解しているはずなのに、いざ書こうとすると忘れてしまっていることが文字で示されて居たわけです。
論文で「使えるフレーズ」というこれまたかなり役立ちそうな項目もあって「さて」「周知のように」「話が錯綜してきので、話を戻すと」等々が列挙されています。
基礎的なことをひととおり述べつつ、参考文献の挙げ方についてはかなり詳しく触れられています。
やる気が起きないときは会話をしてみなさい。パソコンで書いていると指も思考するようになる等々ちょっとしたアイデア的なことも随所に出て来て軽快な文章なのでぐいぐいゴールへ導かれていきます。
新書ですし、読みやすくて、肩が凝らない叙述によって特に若い人向けの論文指導の本だといえます。
さすが!わかってらっしゃる
★★★★★
本書は「二度も論文で落第し」た経験のある、自身「論文の反名人」と豪語する筆者による、
論文執筆マニュアル。
この手の本を開く輩は(もちろん僕も含めて)、もちろんそれほど遠くない先に論文を書くこ
とを念頭に置いているが、内容がエクセレントでブリリアントなそれを書きたいなんて、思っ
ちゃいない。大抵は、指導教官にどんな悪態をつかれようが、最低限四年で学部を、あるい
は二年で修士を、なんとか脱出したいという人である(自分で書きながら情けないが。。)。
正装して脱獄したい脱獄兵なんていない。それと同じように、内容は二の次で、とにかく論文
という体裁を整えたい、と思っている人のはずだ。
そういう受容があることを、さすが「反名人」、分かっていらっしゃる。本書は、とりあえず
文章を論文に仕立て上げれうための、論文提出日になって、「チミ、これ論文ではないよ」と
いわれないようにするための「最低限」を享受してくれる本。
それだけあって、論文執筆のための「基本のきの字」は、これでもかというほどがっちりと押
さえられている。「論文のタネ」(≪主題≫≪課題≫)の見つけ方から、良いタイトル、悪い
タイトルの用例、論文の評価のされ方、構成、さらに文中の記号の使用法まで、例文を交え
て解説してくれる。
くわえて、時に辛辣に、時にユーモアを交えて講義する、筆者のキャラの立った文章にも注目。
二、三箇所で、おもわず「むはは」と声を出して笑ってしまった。…いかんいかん、こちとあ
ら論文を書かねばならんのに。。
とにかく、「『論文』というものをろくに読んだこともないのに今から論文を書こうとしている」、
というアヴァンギャルドでアクロバティックな感性の持ち主であるあなたには、一度この本を
熟読することをお薦めする。
軽く読める
★★★★☆
この方は本当にたくさんの本を読んでるなと
感心しました。大学教授ですから当たり前な
のかもしれませんが、例文に挙げられる作品の
幅の広さに脱帽です。
ご自身も論文落第生だったので、非常にわかり
安く解説してくれています。
記号の使い方の説明もユーモアがあって楽しい。
肩の力を抜いて論文に挑めそうです。