ロクデナシがワンコになる日
★★★★★
大学生×大学助手
優しくて面倒見は良いけれど無類の女好きで手癖の悪さは一級品の攻・雅臣
穏やかで思慮深く物静か。真摯で慈愛に満ち溢れている受・雪哉
ある朝目覚めたら裸の男が横にいた・・・しかも相手は自分が師事している教授の助手。
自他共に認める女好きで節操無しの雅臣の驚愕をよそに平然と振舞う雪哉の姿に唖然とするけれど、
ロクデナシ雅臣は、雪哉が無理やり普通にしていることに気付いた後もたいして気遣うでもない。
それどころか、雪哉から与えられる見返りを求めない無償の愛にドップリ漬かって俺様状態で
雪哉の愛情に自分は一切答えないまま体を繋ぎつづける。当然浮気もし放題。最低だ。極悪男極まれり。
こんな救いようもないロクデナシを一心に愛し、
何も求めず、ただひたすら与えつづける雪哉の姿はいっそ痛々しいほどに優しくて切ない。
雪哉に恋をしていることに気付かないまま彼を振り回し傷つけ散々好き勝手していた雅臣だけど、
いざ自分の手から彼が去ってしまうと動揺しボロボロになってしまう。
それでも友達に「それは恋だ」と言われるまで気付かない。・・・呆れるほどにロクデナシです。
恋を知った日。その日から雅臣は一途にひとりの人を愛する男に生まれ変わります。ワンコですよ(笑)
雪哉の温かくただ静かに包み込むような愛し方は、弱い人間には絶対出来ないですよね。
しなやかで強い。こういう人こそ天使に値すると思う。自分の狡賢さを反省させられた本でした(笑)
無償の愛…。
★★★★★
攻め視点好きには堪らない内容でした!
「恋になる日」2001年発行のスピンオフ。鳴瀬家の次男が主人公。
前作未読でも全く問題ありません(個人的に前作CPの甘々も除き見!幸せそうで安心)。
粗筋は紹介文がありますので割愛。
チャラ男の雅臣は相手の優位に立ち優越感に浸る恋愛しか経験がない。同性だけど清廉な雪哉とも軽い気持ちで関係を続けていたハズが……狼狽し慌て、雪哉に他意はないのに振り回されています(苦笑)。今迄経験したセオリー通り期待した展開や欲しい言葉を貰えず、まるで子供のような癇癪が…おかしいやら可愛かった。
また雪哉は誠実で健気で儚くて(天然ボケな一面も!)。けれど芯は強い。人として懐が大きく素敵だと思いました。雅臣がメロメロでほっとけないのも納得!(こんな良い人に愛されてる攻めが羨ましい;)
脇キャラも(私が)雅臣にツッコミたい所を代弁してくれているのでストレスもなくスッキリ(笑)!
雅臣は見栄を捨て許しを乞いたいと願う。けれど今迄の行いを悔い「こんな上等な人に自分はふさわしくない」と思い詰める…真剣な気持ちにジーンとしました。
そして雪哉が最初から何も求めていないと語る『無償の愛』が寂しくもあり泣けて切なかったです…。
人は当然見返りを求めてしまうのに…なんて潔いのだろう。
愛する事・生きる事に対して真摯に向き合う人の想いが…心に深く沁みました。
書き下ろしは半年後の二人。
雅臣は雪哉に一生頭が上がらないでしょうね。ホント…敵わない、この人には。
※可愛がりたいのは分かるが体を労わってホドホドにお願いしたい。
攻め視点&切ない恋愛モノがお好きな方にお薦めです!
懐かしい!
★★★★★
2001年に発売された「恋になる日」のスピンオフ。鳴瀬家の次男を主人公にしたお話です。
タイトルみたときには再発かと疑ってしまいました(笑)
まさかの8年越しのシリーズ本で、うきうきしながら購入させて頂きました。
雅臣(攻)は、前作では格好いいプレイボーイというイメージが強かったのですが、今回はこの遊びなれた雅臣の、ゼミの助手にして超生真面目な雪哉(受)と本気の恋に落ちるまでの情けなさっぷり(笑)が、これでもか!という程描かれています。
雪哉がもう、潔くて、一途で、綺麗で可愛くて非常に好感が持てました・・・!
色事に慣れていないのに、必死に雅臣というろくでもない男を想う姿はとてもいじらしくて切なくなります。
やりたい放題だった雅臣も、流石にその真摯さに動かされるものがあったらしく、自覚してからは呆れるくらい恋愛バカになっております(笑)
本気の恋愛に戸惑い、恐れ、躊躇う雅臣の様子が丁寧に書かれており、読んでいる方もぐっと感情移入してしまいますね。
本書は前作を知らなくても充分楽しめますが、前作を読んでいる方には、貴志(三男)×十夜(義兄)のラブラブなシーンがあるので更に楽しめると思います♪幸せそうで微笑ましいです。
これだけでも私は買ってよかったと思いました。
出来ることなら続編やシリーズ関連本を・・・!と望みたいところですね。