メタルの誰もが真似たギター・サウンド
★★★★★
72年発表の4作目。そのまんまのタイトルとチープなジャケットから海賊版のような雰囲気すら漂うが、一般にブラック・サバスの初期の代表作であり、いわゆるメタルの教科書的な作品として扱われている重要盤である。
1.はサバスには珍しい露骨なブルース風のフレーズに驚くが、ヴォーカルが入ると従来通りのイメージに戻り、間奏では開放感すら感じさせる明るい雰囲気になる・・・というかなりドラマチックな展開をする曲であり、同時期のプログレの影響も感じさせる。特にインスト・パートが充実しており、ほとんどアイオミの独壇場という仕上がりだ。2.は鉛のように重いギターがたまらない。現在のメタル系のアーティストでは頻繁に聞かれるサウンドだが、逆に言えばそれは彼らの底知れる影響力の強さの現れであり、この時代においてハード・ロックのグループは星の数ほどいたものの、このサウンドを出していたのはほとんどサバスだけだった。3.はピアノとメロトロンをバックに歌われるバラード。4.は???
単純にハードでサウンド的に磨きの掛かった作品は以降でも山のようにあるが、貴重なこの時代の空気感までも飲み込んだ本作はやはり別格。アコースティックな曲を間に挟んだり、カントリー的なフレーズを取り込んだ9.など変化もあるし、ドラマチックな展開と実験精神が融合した楽曲も聞き応え十分だと思う。それを差し置いても本作のギターは演奏サウンド共にたまらないものがあるし、オジーのヴォーカルも神掛っている。