クールビューティな内科医師・楢崎先生×押し掛けわんこ・まんじ君、第二弾。
年齢も社会的地位も上の先生が、常に上から目線の先生が、実は単に居丈高なんじゃなくて分かりにくい(でもまんじにはわかる)形でちゃんと気遣いをしている。思いやりを持っている。そして必要としている……のですよね。
「お前ごときのせいでなぜ俺が!」とイラつく先生、それほとんど無自覚の告白ですから(笑)
片や、一見能天気なヘタレわんこまんじ君も「言葉は平易だけれど、とても内容は深い」と茨木さん(=先生の後輩のカレシ)に言わしめる聡明さと優しさを持ってる好青年。何より料理が上手い!ホント、読んでてお腹減ってくるよ(笑)
読後感ほんわか、いいカップルです。二人のやりとりは実に面白い。ただあともう少し色気のあるシーンがあればなぁ。まんじ君が初心者のうちは無理か(笑)

クールな楢崎が我を忘れる姿が、言葉は悪いけどかわいくて。
上位に立っているはずの楢崎の方が更に焦っているところに、本人が否定したいはずの万次郎への愛！が漂っていて、その他のシリーズ「いばきょう」だとか、「メス花」だとかにちょこちょこ顔を出す楢崎と万次郎が、あんなに穏やか？なカップルぶりを見せられるのも、こういう荒波越えてきたから？？と感慨深く読ませていただきました。

楢崎の実家関係の短編である同時収録も、妹が出てきたりと面白かったです。
楢崎という人間がどういうやつなのか、一巻でわかっていても、さらに掘り下げた感があって、読むと造詣が深くなるというか、楢崎という珍人物？がどういう男なのか、とかまた一歩深く知ったような気分になれます。