黄金期到来
★★★★☆
165巻も買ったんですが、この巻から本当に俄然面白いです!これからも期待してます!
もはやスランプではない
★★★★★
こち亀作者の秋本治が大スランプに陥った時期は、新キャラが多く出ていた時期のことであった。
(テレビ番組の情熱大陸で本人が語っている)
今から思えば100台後半から140巻台後半近くがおおよその時期であり、特に120巻前後が酷かったと思われる。
そして今はスランプを脱し、新たなこち亀をスタートさせている。
本書、164巻は作者も筆がのってきて、そして自分の陥った状況を事細かに振り返ることが出来ている。
特に6話目の「スピンオフの巻」は印象的である。
これは主人公の両津勘吉がいないので他のキャラクターだけで回そうとする話だ。
どうやったら読者の支持を得ることが出来るかを部長、中川、麗子が苦心する。
ここでキャラクターごとに苦心して使われている手法というのは、著者がスランプで陥ったときの手法とまるっきりそっくりなのだ。
そして最後には「両津がいなければ」で締めくくっている。
こち亀で魅力的なのはサブキャラクターではない。結局は主人公両津勘吉の性格なのだ。
もう一つ印象的なのは、8話目の「キャラに一文字の巻」だ。
これは読者投票でキャラクターごとに漢字一文字を割り当てるという企画を漫画化したものだ。
そうしてマリアを一文字で表すと・・・やはりアレなのだ。
秋本治はこち亀に求められているのが何であるのかを相当理解しただろう。
ちなみに164巻は寿司屋は一切出てきていない。纏、早矢は一瞬だけだ。
ボルボやらのサブキャラはほとんどいない。
要するに、派出所の人たちだけで話を回せている。しかも自虐付きだ。
164巻で私は、秋本治は「もはやスランプではない」ことを確信した。
連載から32年、一度も休まなかった両津が・・・
★★★★☆
収録内容
・分冊本大ブームの巻(両津のアイデア商売ネタ)
分冊本のCMを見ていた両津達、金になると思った両津は知り合いの出版社から一挙に20冊創刊するのだが・・・
・変顔大将の巻(両津提案自爆ネタ)
課題を書いた紙で日常に変化をつけることにした両津達だったが・・・
・飛行艇時代の巻(勘兵衛アイデアネタ)
東京湾で中川とボートに乗っていた両津の前に大型の飛行艇が・・・そこに乗っていたのは・・・
(しかし勘兵衛って勘吉と違って成功者ですね)
・両津の決断(両津行動ネタ)
両津の夢を見た部長、中川から両津がテレビの番組に出ることを聞いたのだが・・・
・スクーターボスの巻(人情ネタ)
大型の改造スクーターの暴走族を捕まえた両津、そのボスが翌日に葛飾署を殴りこみしようとしたのだが・・・
・スピンオフの巻(遂にこち亀のスピンオフ作品?が・・・)
両津が急病で主人公不在でやることになったこち亀、部長、中川、麗子と主人公を代えていくのだが・・・
・東京新都市構想の巻(両津悪徳自爆ネタ)
東京の高層ビル化に嘆く両津、そんな彼に中川は自分の不動産会社のプロジェクトを紹介するのだが・・・
・キャラに一文字の巻(1550回記念募集発表会)
またもや主人公不在の回と思いきや、1550回記念の募集の発表会で各キャラを一文字で表すことに・・・
・夏の冒険島の巻(両津の知識が生きる回)
町会の子供会の無人島キャンプの引率をする両津だったが・・・
連載から32年一度も休まず登場した両津だったが、遂に・・・
個人的には東京新構想の巻がよかった、20世紀に夢見た21世紀って雰囲気がいいですね(おじさんは近未来に夢を持ってたんだよ(笑)・・・)