怒濤のような展開と緊迫感
★★★★★
多くの日本人にとっては、ルカレの英語の表現とプロットは難しい。この小説を読んだ時、前半は面白いというより、しんどかった。しかしその辛抱は、後半の怒濤のような展開と緊迫感によって報われる。読み終えたときの満足感を信じて読んで欲しい。
しかし、娯楽的な要素を持った作家の中で、彼ほど読むのが難しい作家を他には知らない。フォーサイスの作品などを軽く読みこなしている人でも、ルカレは難しい。英語にはかなり自信がある人でも、苦労すると思う。覚悟は必要である。
日本語訳では、題名が「寒い国から来たスパイ」となっているが、原題ののColdは、「寒い」という意味ではない。ただ、この日本語訳の題も、雰囲気をうまく醸し出しているので、誤訳なのか、意図的に変えたのかは、私には分からない。
これを最初に読むのはつらい
★★★☆☆
le carreの有名な作品です。また私が最初に原語で読んだスパイ小説です。ただ決して読みやすい作品ではありません。英語自体が難しいのです。使われている単語がどうこうというのでなく、著者のプロットと描写の組み立て方が日本人にはわかりにくいのでしょう。le carre自身が、sisの出身であるため、この時点では、おそらく作品の抽象性を高めることにより様々なトラブルの種を意識的に避けようとしたのかもしれません。そしてなんともいえない暗い雰囲気が最初から最後まで充満しています。そしてプロット自体が陰湿でなかなか一読しただけではつかめないのです。というわけで私はいまだに、le carreの作品を無条件で薦める人は信用しません。でもその後の作品の中心人物(mundtとsmiley)が何人か登場するという意味では、欠かせない作品なのでしょう。もしかすると、ベルリンの壁もない現代では、別な読み方が必要な作品なのかもしれません。
One of Le Carre's best
★★★★★
The Spy Who Came in from the Cold is part of Le Carre's Smiley series, though Smiley plays only a minor role in this novel. The main character is Alec Leamas, a disgraced spy for the Circus (British Intelligence) who is sent to post-war East Berlin for one last mission to thwart is arch enemy in the East German intelligence service. The story is full of some interesting twists and the ending is sure not to disappoint.