切れが気持ちいいです
★★★★★
毎年、ウィンフィールドで開催されるフィンガー・スタイル・ギター・コンペティションで初の(今でも彼だけですが・・・)2度の優勝経歴を持つドン・ロス。タッピング系の演奏法を多分に使用していることもあり色んな評価を受けますが、彼独自の世界は聴き応え十分だと思います。切れのある楽曲&演奏は聴いていて気持ちよいです。オスカー・グラフ製作による7弦ギター(アルバム・ジャケットで持っているギター)を使った楽曲(Give Me Seven Reasons)やマーク・ベネトー製作によるバリトン・ギター(レギュラー・チューニングから4つ音を落としてあるそう)を使った楽曲(Annie and Martin、Tight Trite Night、No Goodbyes)もあり、ギターの違いによる音使いの差を聴くのも楽しいです。(他の曲はローデン O-10を使っています)
ポスト・ヘッジスを生きる耳のために。
★★★★★
まったくのソロプレイ、ギター一本なのにSessionなんだぜぃと云うその心意気が聴取できる耳のためのアルバムだ。
マイケル・ヘッジスの影響を云々するレビューもあったようだが(削除された模様)、アコースティック系のギタリストの中で、マイケルの影響を消化し、さらにその先へ自らのプレイを推し進め得ているギタリストはそれほど多くはない。ドンは、その数少ないギタリストの一人だ。そして彼のプレイの最大の美質は、色気や陰影などといった辛気くさいものではなく、そのテンションにある。そして、そのテンションとテクニックは不可分のものなのだ。
曲作りにも、ポップス系の音楽のみならずシリアスミュージックからの影響が色濃く聞き取れる。ただの心地好さではなく、ヒリつくような音楽の自由を味わうためのギタープレイを求めるなら、必聴の一枚。
それにしても"Michael, Michael, Michael"にはやはり胸が痛む。