amazon.comで、やっと念願の原書を入手した。最初に日本語翻訳版を読んでから10年以上の歳月が経っているが、読んでいて涙がこぼれた。
八島太郎の鹿児島での小学時代の実話を元にした作品。落ちこぼれの「ちび」は、授業についていけず、誰からも無視され、馬鹿にされていた。6年の時に担任になった先生が自然児「ちび」の長所を見いだし、学芸会に出演させる。「ちび」が演じたのはからすの鳴き真似。最初はとまどい、馬鹿にしていた級友やその父母も、毎日、夜明けと共に山中の家を!出て一日も欠かさず学校に通い、たそがれに帰宅し、からすの鳴き声を友とした「ちび」の心情をからすの声に聞いて、静まり返り、涙を流す。
一つの絵にシンプルな英文が一文という構成。英語は平易だが奥深い。
八島太郎(故人)は戦中にアメリカに亡命し対日反戦ビラの作成にも関わったプロレタリアート画家。アメリカ軍政下の沖縄での裁判を描いた「逆転」で大宅ノンフィクション賞を受賞した伊佐千尋、アメリカで俳優として活躍するマコ岩松の父である。