殺人事件がこの物語の主軸になっていますが、その他狂気じみたエダ・ルー
の父親や一番弟のサイの複雑な心境、そしてタッカーとキャロラインの
恋と読み応えは十分です。ハラハラさせれたり、ドキドキしたり、ホッと
したり…ノーラ・ロバーツの腕が光ります。
ロマンス的には元婚約者や両親のことで憔悴しているヒロイン・キャロラインを
ヒーロー・タッカーが優しく心開かせていくという感じで進んでいきます。
登場人物の中に”サイ”という14歳の男の子が出てきます。サイの生い立ちは
父親のせいで醜く蔑まされた生活を送っていたにも関わらず、すばらしく
純粋な少年で、タッカーに背中を押されてか、徐々に少年から精神的に
強い男に成長していきます。
いまはなんと言っても14歳なのであどけなさが可愛らしいんですが、
いつか大人になったヒーロー・サイの作品を読んでみたいくらいです。