「法律」と言うものを考えさせてくれるきっかけとなった本
★★★★★
法学部ではありませんが古本屋さんで見つけてたまたま買った本です。(古本屋さんにごろごろありますよ)単なる衝動買いみたいなものでしたが、とても勉強になると同時に、それまで平面的に捕らえていた「法律」と言うものを若干立体的にとらえられた気がします。ちょっと法律をただ条文を並べて解説している本や、簡単なケースなんかを挙げて私みたいな法学部以外を相手にした本とは違いますね。そのての本ですとどうしても平面的・暗記的で「思考力」といったもの法的思考力と言うのは見えてくることが難しく、なんだかわからない堅苦しい???なものという感じになります。この本ははそうではなく、何かすごいものを感じさせていただきました。法学部ではありませんが考え方の訓練のために法律関連の本をちょくちょく買うきっかけになった本です。けして厚い本ではなく、しかし理論的・法律的な思考を感じられ多面的に物事を考えることが多少は身につく本ではないでしょうか。法学部以外の「法的思考力」とやらに触れてみたい人にとてもお勧めです。
損害賠償法の理論
★★★☆☆
債権総論もそうですが、15年以上改訂がなされていないので、
テキストとしてはもはや使いがたいです。一般学生ならば、
最近のテキストにも平井理論は載っているのでそれで一応は十分でしょう。
民法の専攻者でもなければ、わざわざ本書を引っ張り出してくる必要はありません。
もうテキストはけっこうなので、博士にはその理論を集大成した、
『損害賠償法』とでもいう単行本を書き下ろしてもらいたいです。
そして法律学講座双書の方は、心機一転、後進の先生にバトンタッチして
いただくことを強くお願いいたします。
なお、最近出た契約総論も、その大部分は体調の問題から10年ほど前に書いて
出せないでいたものを蔵出ししたものなのだそうです(はしがき参照のこと)。
不法行為分野の権威
★★★★★
本書の最大の特徴は複雑な不法行為の分野を解釈により
理論的かつ明せきに分析している点があげられる。
平井説は損害賠償の範囲(相当因果関係)についての
判例分析を通じて学会に大きなインパクトを与えた。
その評価はそれぞれだろうが、不法行為を学ぶにおいては
避けて通れない、と言っても良いだろう。
必読の基本書
★★★★☆
損害賠償理論では、様々な説が対立しているようですが、この本は、近年、有力説になりつつある平井説を詳しく説明してあります。ページ数も250頁程度で、一気に読めるところが利点です。不法行為法を学ぶ上では、必読の基本書であると思います。平井説を採る採らないに関係なく、たいていの不法行為法の基本書には、平井説に対する記述がみられますので、初学者の方も、また高度な研究をされる方も、自説の補強のために一読されることをお薦めいたします。