「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が製作・脚本を担当。彼ららしく、一筋縄ではいかない、新しい感覚が詰まった「アクション・オペラ」と言ってもいい一作。まず主人公がテロリストである点が、通常の作品と一線を画す。第三次世界大戦が起こった後の近未来で、仮面をかぶったままの「V」という男が、国家を倒そうとする。Vの手口は非情だが、国家の独裁ぶりが強調され、悪役は国家へシフトしていく。マイノリティが排斥されるエピソードは、ウォシャウスキー兄弟がことさら描きたかった部分だろう。主人公が仮面をかぶったままというのも、最後まで想像力をかき立てる。
「オペラ」と呼びたいのは、チャイコフスキーの「1812年」や、ジャズの「クライ・ミー・ア・リヴァー」が効果的に使われているから。ロンドンの街をバックにした激しいアクション場面など、妙に荘厳で、ゴージャス感さえたたえているのだ。さらに「マクベス」「ファウスト」などが引用される奥深さも本作の魅力。Vに救われるヒロイン役のナタリー・ポートマンは確かな存在感で、スキンヘッドに剃られる場面にも自ら堂々と挑んでいる。(斉藤博昭)
ドミノの連鎖反応
★★★★★
革命は死なず。
実はこの映画を観ている間中ずっと宮崎駿のことが頭の中を駆け巡っていました。
全編シビレまくりです!
とにかくカッコいいったらありゃしない!
吹き替え版でご覧になる事をお勧めします。
ただしフジテレビの映画やドラマが好きな方は受け付けないかも…。
オシャレ
★★★★☆
ナタリー=ポートマンの衣装がとてもかわいい。
特に会社で着ていたパフスリーブのストライプシャツとベージュパンツは素晴らしすぎる!!!
ヴィヴィアンとかD&Gあたりのブランドだと思っていたんですが、作品用のオリジナルなんですね。
これ造ったサミーシェルドンは自分でブランド立ち上げたほうがいいと思う。
言葉には力があるのヨ♪
★★★★★
見ようと思ったのは仮面の印象が強かったから・・・
しかし、どっぷりと引き込まれちゃいました(笑
動かない仮面の表情が、声と仕草だけで生き生きとしてて
「V」役のヒューゴ・ウィービングって素晴らしい〜♪
もちろん政治色の濃いストーリーも良く出来ていると思う。
「V」がTV局をジャックして放送する国民へのメッセージがすごくいい!
「言葉には力がある〜・・・」
そこで思い出すのは「失言」ばっかりしている何処かの国の政治家(笑
しかし、「V」はヒーローでは無いと思う。なぜなら彼の原点は復讐だから。。
民衆を煽り国家転覆こそが彼の真の復讐の成就なのかもしれない。。。
で、フィンチ警視のスティーブン・レイに◎ 渋い♪
挿話や細部にもおもしろさが
★★★★☆
17世紀のテロリスト、ガイ・フォークスが革命に失敗し処刑されるシーンが映画の冒頭に挿入されている。
このシーンでガイ・フォークスは群集の中から自分を見つめる女性と眼差しをかわす。
ガイ・フォークスはこの女性ではなく革命に生きることを選びそして処刑されたということを伝えたいのかもしれない。
では、近未来のイギリスでガイ・フォークスの仮面をかぶるテロリスト「V」のほうは革命を目指す過程でなにを選ぶのか。
そもそも革命の成就は果たされるのか、という映画。
「V」役には「マトリックス」のエージェントスミスこと、ヒューゴ・ウィーヴィング。
マザーグースやシェイクスピア作品からの引用をちりばめた語りをする、頭のネジがどこかいっぽん足りないテロリストを熱演する。
女こと、イヴィ・ハモンド役にはナタリー・ポートマン。
反社会的な活動をする男との一時的な同棲という構図は「レオン」を思い起こさせる。
この映画には「レオン」のゲイリー・オールドマンのような悪徳刑事は登場しない。
「V」の正体を追い求めるまじめな刑事の役には、スティーブン・レイ。
映画は「V」「イヴィ」「刑事」「政府首脳」「市民」と、視点をつぎつぎに変えて展開してゆく。
2時間をこえる上演時間は若干長すぎるかもしれないが、最期までテンポよく飽きさせない。
よくつくりこまれた映画だと思う。
仮面とテロ
★★★★☆
壮大なアメリカ政府批判とも取れる内容。国民を国に服従させるため強制収容所を作り、病原菌の人体実験をし、それをばら撒く。そして「テロリスト」を捏造し、処罰する。以前、GoogleVideoで「LOOSE CHANGE 2ND EDITION」というものを見た。これは9.11に関するビデオで真偽のほどは知る由もないが政府を最大のテロリストとして非難する内容だ。
仮面というのも面白い。ネットの世界での「匿名」を思い起こさせる。匿名は批判的な評価を受けやすい傾向にあるが、名前や職業などを表現すると「既存の社会のコード」で解釈されてしまい、本当のことが伝わらない。「匿名」というのは無力な人々のひとつの武器であるのだなぁと感じた。