ドリームキャッチャー [DVD]
価格: ¥3,129
多くの作品が映画化されているスティーブン・キングの小説のなかでも、本作はかなりスケール感が大きく、映像化が難しい題材ではある。監督が『再会の時』などのローレンス・カスダンというのも、意外な抜擢。少年時代に、いじめられっ子を助けた親友4人組が、その後、他人の心が読めるなど超能力を身につける。20年後、毎年恒例の山小屋でのパーティに集まった彼らが、謎の敵に襲われる。
前半は、ミステリアスな空気がキープされ、なかなかの緊張感。森から逃げ出してくる動物や、雪のなかに座ったままの警備員などの描写が、ひたひたと怖さを高めていく。そこに少年期の回想が挟み込まれ、同じくキングの『スタンド・バイ・ミー』と共通する空気を漂わせる。残念なのは、主人公4人が、それぞれの超能力も含めて個性が浮きだってこないことか。モーガン・フリーマン演じる機動部隊の司令官との関わりにも、不可解なものが残る。ただ、敵であるクリーチャーの登場シーンは、その外見と攻撃性があまりにもショッキングで、パニック・ホラーとして見れば、けっこう楽しめるかも。(斉藤博昭)