著者は指摘する。「仕事はもはや我々の人生を保証してはくれない。充実した、幸せな人生を送ろうと思うなら、今からでも遅くはない。仕事プラスα(アルファ)を考えるべきだ」と。不確実性の時代だからこそ、自分の人生にとって仕事とは何かを考える好機かも知れない。その意味で、本書は仕事の歴史や意味論の変遷を含め、幅広い「仕事論」を展開しており、仕事の約束が保証されなくなった中高年サラリーマンはもとより、これから仕事に就こうとする若者にも、仕事の意味と人生における仕事の位置付けを考えるきっかけを与える啓蒙の書である。450頁余りの大著であるが、翻訳も簡潔で読み易い。