いいものは、いい!
★★★★★
コマーシャルの世界では「いいコピーは、いいカタチをしている」って言葉があるんですが、いい本はいい装丁をしていたりします。
冷たさ、温かさ、そんな体温のある詩情が柔らかく、かつ、濃厚に流れる本書にも素晴らしい装丁(色)がその中身の美を魅せてくれています。
本書を開いていきなる登場する「うた」や「母さんのぼく」は、しばらく本を閉じて静かに考えたくなりました。
ただ気になる点は、ペソアの詩にはタイトルがないものが多くあるのですが、それなのにわざわざ詩内の言葉をタイトルとして表記したとありますが、別にノンタイトルはノンタイトルでいいんだと断然思います。
とは言え本書の評価を落とすものではなく、ぜひ購入してみなさんの宝物のひとつに入れてほしい一冊です。
PS:吉田修一氏の著作物にも本書が登場します。