歴史の中で悪く言われがちなボルジア家の人達だけれども、この本では
温かい目線で人間味溢れる人物として描かれていた。
力強く着実に登り詰めていったチェ-ザレが、その何倍ものスピードで
人生を転がり落ちていく最期は、誰が書いた本を読んでもやっぱり切ない。
本書はルネッサンス期のイタリアを舞台に実在した法王アレッサンドロ6世となったロドリーゴ・ボルジアとその家族の物語である。
プーヅォはボルジア家こそが原初の犯罪組織(ファミリー)だと断言し中でも法王アレッサンドラは最も偉大な首領であると信じていたらしい。
プーヅォがヴァチカンに旅行してから20年近く構想を温めていたというだけあって堪能できるオススメの1冊である。
レオナルドダヴィンチ、女帝エカテリー!!?、マキアベリなどそうそうたる歴史上の人物が随所に登場し、
絢爛たるルネッサンス期の雰囲気を感じる事ができる。
本書でボルジア家に興味を持った私は早速塩野七生の「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を注文した。