"Better music through science" was the Epic Records-coined slogan that Boston leader Tom Scholz hated, but this masterwork of studio-happy, high-school-parking-lot music earned it. Scholz fine-tuned his overdubbed guitar orchestra to a pitch that a thousand subsequent album-rockers couldn't resist. And why should they? Where the band's later records were hardly worthy of note, Boston pulls together classic after classic: "More Than a Feeling," "Peace of Mind," "Hitch a Ride." The pseudo-cosmic ambience invites scoffs as the year 2000 recedes into the past, but it's really just part of the disc's charm. Let it take you home tonight. --Rickey Wright
近年の軽薄な音楽への警笛
★★★★★
まるでロックによるオーケストラの様な壮大なる音楽が詰まったこのアルバム。
何度聴いてもイントロから背筋がゾクゾクしてしまう“More Than a Feeling”
左右のチャンネルから交互に聴こえてくるギターソロが絶品な“Peace of Mind”
映画の挿入歌にでも最適そうな“Foreplay/Long Time”
アメリカンロックンロールのお手本のようなその名も“Rock and Roll Band”
ハモンドオルガンが実に効果的な“Smokin’”
澄んだ音色で延々と奏でられるギターソロが印象的な“Hitch a Ride ”・・・
楽曲やミキシング・ギターフレーズなど、現代でも十分に通用し得る古くて新しい音楽で一杯。
しかも制作されたのが1976年というのだからまた驚きです。
偉大なるミュージシャン“トム・ショルツ”が自身のバンド“ボストン”を介し、
『音楽で人の心を深く激しく揺り動かし続けるためには、キーボードやマウスでの
安直な操作だけでは無理だよ。』と私たちを嘲笑っているかの様に思えてなりません。
衝撃のデビュー作
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76年発表。工学博士トム・シュルツ率いるアメリカン・プログレ・ハード・ロックの雄。専業ミュージシャンでない人が趣味で作った作品・・・とも言えるのではあるが、その作りは執拗に細部にこだわった徹底的完璧主義が貫かれており、楽曲も演奏も大凡のハード・ロックなど足下にも及ばないクオリティである。サウンドのこだわりは物凄く、ギターのエフェクターを自作してしまうほど。おまけにこの作品ではヴォーカル以外のほとんどのパートをトムが演奏。いわゆる一人多重の作品であるのだから恐れ入る。そしてこの人の凄いところはここまで徹底した音作りをしながら、そのサウンドは青空のように爽快で外に大きく広げられた窓のような開放感があることだ。そしてどこまでも気持ちの良いギター・サウンド。ハード・ロックに求められる心地良いギター・サウンドがギッシリと詰まっている・・・と言うかアルバム全てが聞いていて気持ちが良い。ひたすら重く、ジェットコースターのようなスピード感、美しいコーラスにハイ・トーンのヴォーカル・・・ボストンのアルバムを聞いていると様々な鬱憤が解放されていくような錯覚を覚えるほどた。ノー・シンセサイザーというこだわりも現代だからこそ重いと思う。産業ロックの草分けと言うある意味で不本意なレッテルもあるが、産業ロックがここまで素晴らしいのであれば、それもよかろう。3曲のヒット曲と800万枚超えというセールスも納得の名作。しかし次作はもっと凄い・・・
見開き紙ジャケットでした。
★★★★★
2006リマスター含め内容は文句なしですが、ジャケット表面のコーティングは指紋付きまくりです。
トムショルツの天才宅録作品
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まず第一に、ボストンについて書かれているレヴューを読むと、ボストンを「プログレ」に分類しているものがありますが、それは間違いです。ボストンはロックはロックですが、これと言ったジャンルに配属出来ないタイプのバンドで、唯一無二のボストンサウンドを誇っています。
このデビュー作(の原型)は、フロントマンのトムショルツがマサチューセッツ工科大学を卒業し、とある有名なフィルム会社に就職した際、自宅のスタジオで録音したものです。驚きなのが、このような作品を1976年(と言ってもレコーディングには数年も拘って作ってますが)に、しかも、殆どたった一人で作り上げてしまっているということです。現代の技術では、このようなアレンジのこのようなサウンドをコンピュータやシンセサイザーで作ることも出来ますが、当時これだけの進んでおり、しかも、今聴いても微塵の古さも感じさせない作品を作ることができたことに脱帽します。
聞き所としては、ボストンの(トムショルツの)一番のトレードマークであろう「ギターオーケストレーション」でしょう。ギターを何重かに録音し、ハモさせたり、音に厚みを増したりする技術ですが、これの方法で一番有名なクイーンのブライアンメイに勝るとも劣らない素晴らしいサウンドに仕上がっています。
宅録思考(嗜好)のギタリスト、レコーディングエンジニアなどでこの作品を持ってない人は、必ず勉強になるので購入したほうがいいと思います。
安直な電算機では創れない!
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「コンピュータ使用せず」
「シンセサイザー使用せず」
今でも海外のロック・アーティスト達が、
「魂込めて一生懸命やろう!」という合言葉として使っているこの名ゼリフ、
このボストンが生み出した言葉です。
実に30年も前に創り出された、このアルバムの音源のクウォリティの高さは、
今回の丁寧なリマスターで、またも見事に証明されました。
(既存のSACD盤よりも高音質だと思います)
トム・ショルツ自身によるライナーノーツや、
今回、初めて明記されたスタッフ・クレジットを見ると、
「伝説」や「噂」の一端が解明されるオマケ付です。
(日本盤は全て翻訳されてますし、紙ジャケなので、実はソチラがお奨めです)
この音はどうやって創られたのか、この音はどういう行程でミックスされたのか、
そもそも「この驚愕すべきサウンドは、なぜここにあるのか・・・!」、
100メートル先からでも「あっ、ボストンだっ!」と判る、あのサウンド・・・
分厚いのに透明感があり、重厚なのに耳馴染みが良く、壮大なのに繊細なあのサウンドは、
もはや聴いた人にしか判らない、
まさに「More Than A Feeling(感覚を超越)」な、素晴らしき「体験」です。
「産業ロック」などに分類されて過小評価され、
確かに「ロックの殿堂」には入らないかもしれませんが、
このファースト・アルバムは、確実に「ロック史上の名盤」です。
(1000万枚を軽く超えるセールスも、それを物語っています)
「本当にヒトの心を打ち、感動させる」モノは、
安直な機械や、計算式から創り出されるモノではない!、という事を、
是非、この機会に「体験」してみて下さい。
ロックを愛し、理解しようとしていらっしゃる若い皆様にこそ、
是非、聴いて頂きたいです。
そして、ココロを込めて創ったモノは、時代を経ても古くならない、と思って貰えたら、
古くからの一ファンとして、とても嬉しく思います。